おすすめフィルムカメラ5選+おまけ
TIRED OF HEARING FILM IS DEAD? WELL, SO ARE WE.
「"フィルムは終わった"なんて聞き飽きた?ああ、まったくだ。」(拙訳)
Kodakのページhttp://cinescopophilia.com/tired-of-hearing-film-is-dead-kodak-sure-is/にある標語。超カッコいいね。
今やフィルムとデジタルを比較すべきではない。和食か中華、どっちが美味いか議論するくらいナンセンスだ。つまりは個人の嗜好の問題。
はじめてのイチガンが機械式フィルムカメラな私が、オススメのフィルムカメラを厳選して5台挙げていこう。
初めての方にも、上級者にもオススメできるように、基準として「壊れにくいこと」「比較的安価、おおよそ五万円以下で手に入ること」「デザインの秀逸さ」「拡張性」の4つを設ける。
Flickrの写真とともにどうぞ。
1.Nikon F3
彼は壊れない。この一言に尽きる。
壊れたカメラで真面目に撮っていたことに気づいた時、かなりの喪失感を味わうものだ。ジウジアーロによるデザインは所有感を満たしてくれるし、何より最近ガクガク値下がりしている。チタンボディとかこだわらなれば、普及機のFM3AやFM2より安いなんて素敵ではないか。絞り優先オートでも撮れるよ。
そして、視野率100%の安心感!!予想外の物が写らない。最近のデジイチでも普及機は視野率100%を達成できていないものが多い。
マニュアルフォーカス専用となるので、ピントの山は掴みやすくできている。特に大口径単焦点(f2.0以上)をマウントした時にその真価を発揮する。下の写真のように、ファインダーにHPと書いてあるのが「ハイアイポイント」と呼ばれるモデルで、目を離してもファインダー像がケラレずに(視野が狭まらずに)見えるようになっている。ファインダー倍率は0.75倍。「アイレベル」モデルは特別機能がない代わりにファインダー倍率が0.8倍。
2.コシナVoigtlander bessa R2/3/4シリーズ
ライカにそれほどコダワリがなく、なるたけコンパクトに綺麗な写真を撮りたい人向け。
M型ライカと機能はほぼ共通、露出計を内蔵し、M、Lマウントレンズ装着可能。レンジファインダー機(ピントリングに連動する距離計を内蔵し、像のズレでピントを確認する仕組み)独特の操作感を味わえる。
でも、ライカマウントのレンズって高いんでしょ?いえいえ、そんなことはごさいません。キヤノンをはじめ国産のものやロシア玉、コシナ発売の優秀なコーティングが施された新品レンズのご用意も…つまり選び放題。
ちなみにシャッターは"M"シリーズなら機械式で、"A"シリーズは電子式。発売からそれほど経っていないので、どちらも修理はコシナにて受け付けている。写真はBessaT。
3.OLYMPUS PEN FT
「黒が締まる」描写が特徴の銘玉ズイコーたちで、ハーフサイズ写真が撮れる。 無印PEN Fとの違いは、TTL露出計がついていること。ガタが来ている個体も多いので注意して買うことをオススメする。ハーフサイズはたくさん撮れる。買ってすぐ36枚撮りなんかを入れると72枚も撮れてしまう。72枚撮るまで見られない。じりじり。12枚撮りなんてまだ売ってるのかな? 24枚撮りでも48枚だから、自然とパカパカ撮ってしまう。
ネガフィルムはローテクな気がするけれど、20世紀のものより大幅に性能が向上している。小さく撮って、大きく伸ばそう。レンズの画角は38mmだと換算55mmの画角になる。
もしかすると、奥山由之さんみたいな写真が撮れちゃうかも?なんて考える…
4.Canon EOS-1V
イオスは夜明けの女神。F6と並びフィルムの最高峰。現行EFレンズ群と互換性があり、ほぼフルサイズデジイチのように使える。AFも速く、ボディの堅牢さは生半可じゃない。中古相場はF6より安いので、フィルムカメラで安心して撮りたい人やポジ使いにはこれがオススメ。
被写体が人間の場合、数cmピントがズレると「失敗写真」になる。絞り込んで目視以外にAFより速いMFを私は知らない。AFで大体合わせてMFで微調整、が最もスマートだ。
AFニッコールをいっぱい持っている人はF6を買おう。
つぎは中判に行ってみようか。
6×6以上で撮った写真を見たとき、その包容力とボケの大きさにウットリすることだろう。
5.Pentax 6×7
通称バケペン。
"バケ"モノみたいに大きい"ペン"タックスのカメラだからバケペン。あ、言わなくてもわかるか。35mmカメラのように使えるので、他の中判カメラと比べると操作が圧倒的に楽だ。巻き上げするとき持ち替えないでいいのは便利。
カメラ女子にも人気らしい。ボディもレンズもとにかく重いので、女子に限らずこれで撮影に赴く人は根性ある。(撮った写真がキレイなので報われると思う)
シャッターが機械式の旧モデルと電子式の新モデルがあるが、私は機械式をオススメする。旧モデルも露出計用の電池が要るので注意。
番外編 個人的に好きなやつ
Zeiss Ikon IKOFLEX Ⅱa
こちらは2眼レフ。見て下さいこの都会的なデザイン!ローライフレックスが曲線的で優美ならイコフレックスは直線的でシック。ましかく写真が撮れます。
フィルムロードは一コマ目だけ赤窓で合わせて、あとは普通に巻き上げれば良い。シャッタースピードは1秒から1/500まで。
よく見ると世の中にましかくな物は多くない。頑張って構図を組み立てるのだ。
番外編2 これで撮ったみたい
インスタントまたはポラロイドフィルムのカメラ。なかなか味のある絵ができて、「オンリーワン」という所が非常にいい。儚くていいね。
昔は「ポラロイドバック」というのがあって、ポラロイドフィルムの入る交換フィルム室を35mmや中版カメラに取り付けて、今のテザー撮影(実際どんな感じに写るか見ながら撮影する方法)のように、モデルへの指示やアングルの確認、色の確認に使っていた。
ポラロイドフィルムは物凄く高いし、チェキのフィルムはチェキ以外には使えない(※①)ので、ポラロイドバックを活用することはできなそうだ。
※① 現在、チェキ規格フィルム使用可能カメラが続々増えている。新発売のライカ ゾフォートを筆頭に、Lomoのトイカメラとか、チェキ用二眼レフなんてのもある。レンズ交換できるチェキがあればいいな。夢が広がる。
以上、参考になれば幸いである。
今日の1枚
NikonF3 55mmf2.8 f16,4s,PRO400