露出計を選ぶ
クラシックカメラと付き合っていく人間に必要なもの、それは何だろう。愛?忍耐?
否、露出計だ。
写真を撮るとき正確な露出計と、それを使いこなす知識があれば、まず失敗しない。
私の使ってきたのは古い入射光式で、露出が合っているかいつも心配だった。
偶然立ち寄ったカメラ屋で、ブロニカの望遠レンズを値切ろうとして失敗、店から出た直後に露出計を落として壊す、という罰が当たったとしか思えないアクシデントに見舞われているため、以来私は「サニーシックスティーン・ルール」で露出を合わせている。で、ものすごく不安。
「サニーシックスティーン」とは
晴天=f16
明るい曇天=f11
曇天=f8
暗い曇天=f5.6
日陰、夕方=f4
天候に応じて絞りを上のようにすれば、だいたい露出が合っている、という便利なルールだ。
例えばISO400で曇りなら、1/500でf8。
明るく写したければ半段くらいupさせればいい。実際このルールでほとんど間違いなく写る。心配になって露出計を見ると、驚くほど一致しているのがスゴいところ。
実際これで撮って失敗した試しがない。
入射?反射?…勘露出?
入射光式のいいところは、その空間の「標準露出」を即座に把握できる点。
+補正が必要な逆光や雪山など、光線に左右されず露出が求められるのだ。
しかし、入射光式は計測場所の露出しか求められないため、遠くの風景などの計測は苦手。そこは反射光式の出番となる。
反射光式は、被写体の色により相当露出が狂うので、白い服のときは+1段半補正、など慣れが必要。
ただ最近のカメラは、被写体の色情報も加味した測光を行うので一概にどれだけ補正すれば良いかわかりにくい部分はある。まあ、そこも慣れであろう。
次の露出計はどれにしようか迷っているので、迷いの道筋を記しておこうと思う。
調べればわかると思うが、単体露出計というものは高価だ。
SEKONIC 露出計 スタジオデラックスIII L-398A JG10
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暴利だ、と言っているわけではない。
これらを買うお金でNikon F3と単焦点2本くらい手に入ってしまうから、どうしても躊躇するわけだ。
対策①
・勘露出を鍛える
よく行く中古カメラ屋のコンタックス爺(私が今つけたアダ名、CONTAX ⅢaとBiogonが自慢のおじいさん)は、もう50年くらい露出計なしで撮っているから、どんな状況でも間違いなく写真を撮れるという。尊敬。
対策②
・中古の露出計を買う
露出計は中古でも割と数が出ているので、選択に困ることはない。問題は、光電素子(漢字変換しようとしたら"香典阻止"と出てきた。やめて、阻止しないで…香典前借りして新品買おうかな。)が劣化して本来の性能が発揮されない点。古すぎるものは注意だ。
対策③
・TTL露出計つきのカメラで代用
Nikon FGやPentax MXなど軽い(←ここ大事!)カメラに、露出計が付いていない方と同じ画角の単焦点あるいはズームをマウントし、TTL測光で露出を求める。撮影時は2台のカメラをぶら下げて歩く。軽いデジイチでもいいな。
対策④
・スマホのアプリで測る
AndroidでもAppleでも露出計のアプリが出ているので、いろいろインストールしてみて試すといい。精度はまあまあ。
高い単体露出計を買うのって、結局のところ「安心」を買っているのかもしれない。
だいたい露出で失敗する時は、前のカットでセットした絞りやシャッタースピードを変えないままシャッターチャンスに遭遇してしまった時。構図とピントに気を取られ、撮ってから「しまった!」と青くなるパターン。
やっぱりAEは便利。
もし買うとしたら、候補は3つ。
・フォクトレンダー VCメーターII
いかにもクラシックカメラに似合いそうなデザインだ。ホットシューに取り付け可能で、中央重点測光くらいの範囲で定常光を測るらしい。私のブロニカにはホットシューが無いため取り付けは不可能(ほぼ現存しない幻のアタッチメントを取り付ければ可能)だが、首からブラ下げることもできるようだ。
・セコニック ツインメイト
[ツインメイト L-208:露出計・カラーメーター・照度計:株式会社セコニック
小型なのに入射/反射光式がワンタッチで切り替えできる。こういう指針式では、アナログ時計のように直感的な読みができるから嬉しい。欠点は暗すぎるとき、f1.4で2秒露光みたいな時に精度が不安なところ。
これもホットシューに付く。
・セコニック フラッシュメイト
フラッシュメイト L-308S:露出計・カラーメーター・照度計:株式会社セコニック
これを買っとけば精度としては間違いないかな。入射/反射光式で測光でき、名前の通りストロボを炊いたときの露出もわかる。
ストロボを多用する私としては、とても便利。
よし、これにしよう。
大陸絞りのライカではちょっと苦労するだろうな。まあ、デジタルにも使えるからイイとしよう。
カメラと露出計を下げていると、通りすがりのオジ様に「お、写真学生か?」と訊かれて、違うと答えても信じてもらえないことがある。そうして声を掛けてくれる人が、お名前を伺うとけっこうスゴい方だったりする。
楽しい。
今日の一枚
Leica DⅢ+Summitar50/2.0 Konica Centuria Super200
フィルムスキャン後モノクロに変換
ズミタールはフードをつけても逆光だと著しく画質が低下するので、空が飛ばない程度にコントラストを高めモノクロ処理してみた。