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ニコノスの写真日記

フィルムとデジタルの狭間からお送りします。毎日写真を撮って気付いたことを書くブログ。スナップ、ポートレートが大好き。twitter: @nikonosf

シャッター音とカメラ

友人が知らぬ間にNikon F3を手に入れていた。レンズはAi50mm f/1.4S。filmphoto仲間が増えて嬉しい。

 
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撮影2本目にしてフィルムの巻き戻し方がわからない…と私のところへ駆け込んできたホヤホヤの初心者だ(1本目は写真屋で出してもらったらしい)。

F3/T+モータードライブでフィルムデビューという、かなりゴツい組み合わせなのだが、これには理由がある。

 

買ったときについてきたけど、使い方がよく分からない、と聞いて私は彼女にこのセットを売った店員を密かにケイベツした。聞かなかったのは良くないけど、一目でわかるほどの初心者に使い方さえ教えてくれないのか…⁉

押せば写るようなカメラを買ったならまだしも、F3チタンでこの対応…聞いたら私もよく行くお店だったので、余計ガッカリ。

 

極めつけは、ISO400をISO200の設定で撮ってしまっていて(私が気付いた)、減感現像をしたけど真っ白だったという悲劇。(※16/12/18修正)

 

「今の若い人はファッションでスチルやってるからねェ…」なんて言われたくない。どんな気持ちでわざわざフィルム使って撮ってるか、分かってくれなくてもいいけど、悔しい。せめて温かく見守って欲しいのです。

 

まあ、怒ったって始まらない。楽しもうじゃないか、と単3電池8本を入れたモータードライブを装着(←電池蓋の隣にある黒い蓋をコインで外す。外した蓋は電池室のスキマに入れる)し、百科事典みたいに大きくなったF3を渡す。

 

N「シャッターおしてごらん」

 📷✴ジャキーン‼

けっこう驚いていた。

もっと驚いていたのは喫茶店にいた他のお客。

F3+モードラの音はこれまた秀逸で、iPhoneカメラの音声をそのまま重厚感アップした感じの音が甲高く響く。その音量も半端じゃないのだ。

私は大好きだけど(F6のより好きかも)。

 

外へ出てまもなく「重すぎ」と言ってモードラを外して撮りはじめた彼女。ただでさえ重いチタンボディにモードラはカッコいいけど、写真散歩やスナップには当然ながら向かない。

最大の利点は巻き戻しが電動で済むので楽ってとこかな。

 

その日は1日、カメラの使い方を教えながら写真散歩していた。F3のシャッター音が、ちょっとだけうらやましくなった。

うまく撮れてるといいな。
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川島小鳥のZINEに夢中。

 

 

シャッター音って大事だと思うんですよ。

カメラの声ですね。

「いま、写真撮りましたよ」という合図でもある。人を撮るときは撮影のリズムも作ってくれる。こういう場合は大きいシャッター音の方がカンジ出るよな。暴力的なシャッター音は、もはや快感だ。

スナップをするときは2眼レフをはじめとするレンズシャッター機とか、ライカに代表される布幕フォーカルプレーンで、ミラーのないものを勧める。耳を澄ませないと聞こえないほど音がほとんどしないからで、余計な悶着を起こさずに済む(ライカを使いノーファインダーで撮っても怒鳴られることはある。念のため)。

布幕フォーカルプレーンといえど、Pentax SPやNikomatなどの一眼レフはミラーの動作音があるので注意が必要。

 

自分が何を撮りたいかわかったら、どんなシャッター音のものが合うか、考えてカメラを選ぶといいだろうし、別に買ってから考えてもいい👍

 

カメラの外観とか、シャッター音は変わらないから、自分がカメラに合わせる、多少ハードにソフトを合わせていくことになる。

長く使っていると、家族や恋人のそれと同じく耳の奥に浸透してくるから、異変があれば即座に気付くことができる。

以前、プログラムオートで撮っていたF6のシャッターを異常に速く感じ、何でだろと思い確認したら、DXコードの読み取りエラーでISO3200になっていた。そりゃ、高速で切れるはずだ。

シャッター音によって、だいたい何分の一秒で切れたな、とわかったら慣れた証拠。

 

機械式なんかだと、使い込むほどに滑らかになっていくので、また別の楽しみがあるのだ。

精密に作られ、大事に使われてきた機械は、動くときにヌメヌメした感じがして、シャッターにも無駄な衝撃がない。あらゆる不便さに耐えてまで使いたいと思わせる魅力がここにある。

 

軽快に、あるいは豪快にシャッター音を響かせながら撮影するのは、毎日撮っている慣れたカメラであっても楽しいのだ。

 

もし、ワケあって好きなカメラとお別れすることになっても…街中でそのシャッター音を聞いたとき、(自分の場合)即座に「あ、F3だ」などと振り向いてしまう。

雑踏のなかでふと聞こえた声で肉親や、好きだった人を思い出すことはないだろうか。

あるいは嗅覚の方がそういう体験は多いかも。中古カメラはそれぞれ、色んな匂いがする。「この匂いどこかで嗅いだことあるような…」と思うとカメラの匂いだったりする。

 

 

中古カメラはそれぞれ個性があって思い出深いのだ。

あなたに、カメラとのいい出会いがありますように…