ニコノスの写真日記

フィルムとデジタルの狭間からお送りします。毎日写真を撮って気付いたことを書くブログ。スナップ、ポートレートが大好き。twitter: @nikonosf

TOPCON UniとFujichrome T64

古いカメラが欲しいと思った。

 

シャッター音の可愛い、手に馴染む一眼レフがいい…

 
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フリマアプリで探すと、悪くなさそうなジャンクがあったので、トプコン ユニの黒ボディを手に入れた。安いので心理的な抵抗が少ない。

廉価機の位置付けにあった品物だから大して期待はしていなかったのに反して、総金属ボディに革張り仕上げという出で立ち、標準53mm/f2.0付きで850gの適度な重み、クラカメ好きには堪らない。

 
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ジャンクなので、シャッター速が出ているか心配だったが問題なし。TTL露出計は一応動いたけれど精度が心配なので使わない。

まあ、正直言っていつまで動くか未知数な部分はある。もともと完品ではないので壊れても直すかどうか…

 

 

さて、このカメラはレンズシャッター式一眼レフという珍しい仕組みとなっている(正確には「ビハインドシャッター」)。

ほとんどの一眼レフがフォーカルプレーンなのに対して、である。利点としてはシャッター幕に係わる諸問題が起こらないところか。

困るのはマウントの穴が小さくミラーやスクリーンの掃除をしにくいこと。

同じレンズシャッターでも、京セラ・サムライと同じクイックリターンミラーなので、撮影後のファインダーはマミヤ67やHasselbladのようにブラックアウトしない。これはいいところ。

 

絞りはf2〜22、シャッタースピードは1秒〜1/500秒でレンズシャッターとしては一般的なスペック。そしてシャッター優先オート。
この時代の一眼レフにオート機能があることはオドロキで、ちょっと使ってみたかったが動かなかったので電気系統の修理に取り組みかけ断念。

以前シャッターの切れないライカをオークションで落札して、いざ開けてみたはいいものの、状態をさらに悪化させてしまったので、第n番目の犠牲者を出さないためにも、わからないモノには触りたくない。

軍艦部を開けてファインダーのゴミだけ取り除いて終いにしておいた。

 

ちなみにコイツのシャッター音…かなりダサいです。振ると「ゲコッ」と音の出る幼児用玩具みたい。【楽天市場】スマイル ピコピコハンマー おもちゃ 3色【RCP】【あす楽対応】:アメリカン雑貨RUNAWAY

しかしまあカワイイ音ではあるのです…

 
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富士の期限切れタングステンフィルム(T64)で試し撮りに行った。当然ながら真っ青な画面になるけれど、褪色も相まって朽ちたような色味になっていたので、ひどいものはスキャン時に「褪色補正」をかけておいた。

 
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開放付近で。

 

ネットで見て心配していた「ミラーが最後まで上がらない」症状も出ておらず、さすが東京光学、と思わせる写りをしてくれた。逆光には弱いので注意が必要といったところか。

 
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バリ地元の写真です、はい。

 

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シャッターボタンが面白い位置にあり、押しやすそうに見えるが実際ブレやすく、結局「手に馴染む」という最初の希望は達せずじまいだ。

しかしシャッターを切ってみると、かなりユニークな音で鳴くので、ベコベコやっているうちに愛着が湧いてきてしまう。困ったものだ。

それに、もう1つ忘れてはいけない所…

レンズ。

名玉が多いことで有名なTOPCORである。

このレンズも例に漏れず開放で使うとかなり匂いやかな写りをしてくれる。絞っても立体感を失わない描写は見事と思う。

私の個体はバルサム切れがひどいので、もし完品を使ったならばさらによい結果が出ただろう。

 

後にモノクロ(Acros100)で撮ってみたら、特に階調性において、ニコンのAi50mmを凌駕する写りであった。これは素晴らしい。(フィルター使用)
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ピントリングの仕上げがコシナ・ツアイスのローレットに似ているところも評価ポイントとして挙げていいだろう。回してみると適度な重みが心地よい上に、ZFレンズやαE用ツアイスもかくや、と思わせる仕上げとなっている。

 

 

 

カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 E-mount

カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 E-mount

 

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↑ローレット仕上げ…?

 

このカメラはヤフオクでも標準セットで5000円以下が相場である。

こんな価格で買ったし、動いただけでも儲けモン、置物にしてしまっても惜しくないという代物。防湿庫には入れず、ホコリの心配がない棚に置くことにした。カビないといいな…