雨の日は。
台風の季節。涼しくなるのは嬉しいが、水はカメラの天敵だ。
錆び、カビ、粘り。電気系統の故障。
ボディもレンズも、水に濡れたら後が恐い。
Nikonの上位機やPentaxは何をしても壊れないと聞いたことがある。そう言われれば確かにそうであった。
Pentax SPは機械式なので、酷暑極寒に強い。野球の応援で座席にずっと置かれ、熱々になっていても普通に写真が撮れた。どしゃ降りの帰り道でリュックの中まで濡れたこともあったが、それでも撮れた───もちろん後でしっかり乾かしたが───基本フィルムカメラは薬品や炎に侵されなければ何をしても(フィルムだけは)大丈夫。カメラより撮った(またはこれから撮る)写真の方が大事でしょ?
今デジカメをこういう風に使おうと思ったら、そうはいかないだろう。α7なんか華奢すぎて常にイイコイイコしていなければいけない。壊したらデータがどうなるか分からない。帰ったらすぐバックアップ取らないと!
雨の日は。
雨の日は、カメラを持つのが面倒になる。傘をさしても首から提げたカメラに水がついてしまうから、右手で首の位置まで持ち上げたまま歩いている。端から見たらさぞ滑稽に映るだろう。
でも利点はある。右手親指をレリーズに、人差し指をピントリングに添えるので、ほぼ一瞬でシャッターを切れるのだ。レンズは万能の35㎜一本。手が小さい人は小型カメラを使おう。「雨の日はハーフ版のPENです」なんてのも素敵。
雨足がきつい時は鞄にしまう。どうしても撮りたいときはもうスマホでいい。
ああ、スマホって万能。
Nikon F3 35/1.4 iso400 f2.8 1/125
雨の銀座。下のモヤモヤは、急いで巻き戻していたとき手応えがなくなって、終わったのかな…と裏蓋を開けてしまった時の光線引き。幸い消えたのは24枚中4枚だった。
フィルムカメラを始めようと思っている人。持ち出して撮る前に、フィルム装填と巻き戻しを何度かやってみるべし。
雨の日も写真を撮る気分になれちゃう人。
台風が来ても持ち出すべし。
そうそう、撮るときは
自分の傘が写り込まないように。