ニコノスの写真日記

フィルムとデジタルの狭間からお送りします。毎日写真を撮って気付いたことを書くブログ。スナップ、ポートレートが大好き。twitter: @nikonosf

ライカ整備

ライカのDⅡが光線漏れを起こすようになった。

多重露光で撮ったマイライカ。

f:id:cantonponeys:20160916202120j:image

以下が証拠写真
f:id:cantonponeys:20160923054154j:image

f:id:cantonponeys:20160916202256j:image

f:id:cantonponeys:20160916202432j:image
右端にラインが入っている。下からモヤモヤがあがって来てる。

…なんで?

 

バルナックライカには見えるところにモルトが無い。個体ごとに底蓋がピッタリ造られているからだ。しかし、カメラ屋のおじさんに聞いたら、軍艦部の遮光性が十分ではない個体もあるらしい。1930年代当時はiso50以下が普通で、iso100なんてフィルムは今で言う6400くらいの位置付けだったから、ちょっとやそっとの漏れではカブらなかったのだ。

というわけで、整備に出すことにした。

 

私の場合、ライカには100か200を入れる。400を入れると最速1/500のシャッタースピードでは対応しきれない。

これが好き。


あと、M4以前のライカは所謂「三味線のバチ」がなくフィルムが真っ直ぐになりにくいので、しばしばパーフォレーションへも露光されてしまう。スキャンサービスに出すと歪んだ絵が帰ってくる。せっかくフレーミングして、水平出しても無駄。どうにかならないものか…

まあ、もしそうなっていたら上手にトリミングしよう。

 

まかり間違ってお金が余ったら、M4-Pの黒が欲しい。なぜって、シンプルで機能的だから。ベッサもカッコいいけど、布幕横走りじゃなきゃ嫌。デザイン、静音性では最高なのに、欠点の多いバルナックライカ。嗚呼。

諏訪湖花火

F3 35mm/1.4 iso400 f8 4s
f:id:cantonponeys:20160912010241j:image

台にカメラを置いて撮影した。知らぬ間に中心がズレていたのでましかくにクロップしてみた。

富士フイルムのスキャンサービスを利用。

 

 

諏訪湖花火大会は、毎年8月中旬に行われる(新作花火大会もあるが少し先)。

諏訪湖ではそれまで一月ほど、毎晩花火が上がるのだ。それほどドカドカ打ち上げないけれど、玉が大きいから迫力満点で、かなりの大盤振る舞いである。

花火が好きで色々なところへ見に行くけれど、ここの花火は音がいい。盆地ということもあり、反響しやすいからと思う。

 

毎年のように来るが、こうして落ち着いて写真を撮ったのははじめて。誰かと一緒だと写真どころではないから、一人で「さあ撮るぞ!」と張り切ってしまう。

段階露出で安心撮影。

 

花火や桜、山など、どうにも露出が難しいときは段階露出をするといい。ポジなんかは(フィルム単価が高いので)勿体ないけどやったほうが後悔せずに済む。

写真の寿命

それ、撮ったあとどーすんの?

フィルムは正しく保管すれば、300年は保存可能という───

 

300年。

もし300年後も私のネガが存在していたら、それは私が世界的写真家となった証拠だ。

写真家の遺族が美術館に寄付➡管理庫に入る

お決まりのパターン。

 

でも、普通の人がライフワークとして撮ったものが保存して意味のあるものとは思われていない。

私は普通の街角を撮った写真とか、市井の人々のポートレート・スナップなんかは生活の記録として民俗学的意義を認めている。

しかし資料として公表されなければ意味がない。

 

f:id:cantonponeys:20160907062806j:image

祖父母の家に遊びに行ったら、古い写真やネガを捨てるという。私としては複雑な心境である。

彼らの知人にも、捨てる人が多いという。撮影者が亡くなったらそれは明らかに「遺品」であり、他のモノたちと違い情念が写り込んでいる気がするので、捨てるに捨てられぬ代物と化す───

だから、遺族が困らぬよう「終活」として捨てるのだ。

会ったこともないご先祖様はもはや、歴史上の人物。残酷なようだが、それらは他人の写真でしかない。

 

そう、「残ってしまう」ことも大いに考えものなのだ。

自分が撮った写真や、自分が写っている写真を必要とするのは、せいぜい自分、配偶者、または子どもたち。無ければ無いで、もともと無かった事になるのだ。記憶なんてそんなもの。悲しいけど、人間は忘れる動物。
f:id:cantonponeys:20170327232812j:image

捨てられてしまう前に、自分の幼い頃の写真を持っていないか確認してみては?

運良く残っていたら自分と、育ててくれた人や、むかし大切にしていたものを見つめ直す機会になる。

 

デジタルで撮ったものは、例えばSDカードにそのまま保存してあるとして、10年持てばいい方だという。ひどい話だと、SDに入っていた妹の小学校時代の写真や、当時の旅行写真が1年と待たずにゴッソリ消えていた事がある(実話)。もう戻らない。ハードディスクに移せば何年持つか知らないけれど、いつかゴッソリ消えていたら。それは悔しいよね。

だから、写真はハードで残すべきだ。

何でもいい。デジタルの人は(できれば)銀塩プリントで、フィルムの人はそのままお店プリント。アルバムにすると後で見やすい。

 

デジタルデータを実店舗に足を運ばず銀塩プリントにしてくれるサービスがある。これは私がお願いしているところ。【vivipri】写真プリント | 最高画質を保証! 最短当日お届け!

親戚、友達でも写っている人にデータで渡すだけじゃなく、プリントで渡すと喜び方が違うので、特にポートレート撮る人は試してみて欲しい。手渡しだと感想を聴けたりもする。「3枚あるけど、どれが好き?」とか。

 

写真は記録。

さあ、アルバムをつくろう。

Pen EE3 モルト,シャッター整備

f:id:cantonponeys:20160903024849j:image

かわいいカメラ!

クラシカルに、いかにも女の子が好きそうなカタチ。セレン受光素子でレンズが大きく見え(ホントは小指の先ほど)、バランスの良いデザインである。

 

OLYMPUS PEN EE-3

またまたジャンクで、ファインダーとレンズのカビ、モルト痛みで安くなっていたので購入。以前ズミタールの為カニメ回しを買っておいて正解だった。こいつのカニメは極小なので、工具の代用が効かないのだ。

 

工程

レンズ

・レンズの銘板をゴムリングで回して外し、現れたカニメを内側から外していく。無水アルコールと綿棒で清掃。シャッターを気合いで止めて、裏側からもレンズ清掃。

 

ファインダー

・軍艦部を開ける。この際ストロボ接点用の線があるので慎重に。それからファインダーの前玉を引っ掛けて割らないように。

・黒い紙をペリペリ剥がし(破るなよ!)アルコール綿棒で拭く。

 ・黒紙を接着剤で元のように貼る

 ・軍艦部を閉じる

 

モルト

モルトの調達。ネットにもヨドバシにもあるので苦労しないだろうが、どこかで100均にもあると見て、半日探し回ったが遂に見つからず、同じく100均にあったこんなもの
f:id:cantonponeys:20160903031122j:image

で代用。厚みがあったので、せこせこカッターで削った。非常に面倒だぜぇ&モルトの精度が不安だぜぇ と良いことないので黙ってモルトを買うこと。

 

 ・元あったモルトの残骸をアルコールと楊枝か何かを用いて取り去り、そこに新たなモルトを詰める。この際モルトガイドの側面に粘着面がついてもそのままにせず、落ち着いて貼り直す。

・蓋の開閉に問題ないか、レンズに異常がないか確認してやっと試写となる。

 

iso400の36枚撮りを入れた。

ハーフサイズだから…

72枚!

ねえ、フィルムで撮ってるとき、早く見たくてしょーがない気持ち、わかる?

自家現像できる人に限るのだけど、10枚くらい取ったら巻き上げちゃって、ダークバッグ内で物差し使って切って、そこだけ現像しちゃう手もある。

転売ヤーになった気分。「試写済み」が低コスト化できるぞ!

 

ま、ペンは直して売っても利益は高が知れている。73年発売当時で1万円強だもの。同年に発売のニコンF2フォトミックSは6万円強。現代ならGRⅡとD5ってとこか。でも、どれも良いカメラだよ。

 

ネットでも、雑誌でも、中古屋のおじさんまでペンを「良い」とする理由、果たしてどんなものか(…撮りきれるのか?)

乞う御期待!
f:id:cantonponeys:20160903033526j:image

フィルムスキャナー選び

フィルムスキャナー 2機種レビュー

先人達のブログを見ると、写真がズラリ。「レンズの試写」「ポートレート撮ってきました」「今日の夕焼け」…デジタルで撮れば楽だろうと思う。

 

( 欲しい。ニコン100周年記念で"Df2"が出たら、中古価格は間違いなく下落する。早く来い、2017年。)

 

フィルム写真もモニターで見たいし、自分の写真がupできるのは嬉しい。

Kenkoのフィルムスキャナーを買ってきた。

 

 以下、レビューとする。

2機種に共通するポイントは白☆、固有のポイントは★とする。

 

まず気になった所。

★画質が悪い

★暗い絵だとたまに周辺が明るく滲む。夜景とか。
f:id:cantonponeys:20160901170948j:image

★これでスキャンすると、比率2:3のはずが2:2.9くらいになる。左右が切れるのだ。問い合わせてみよう。

…ケンコーに電話するとお姉さんが出て、「誠に申し訳ないがそういう仕様です」と言う。しようがない。

 

次に良いところ。

☆1枚ずつ明るさや色が変えられるので、ネガのダイナミックレンジ(明るさの許容範囲のこと。デジタルならアンダー、フィルムならオーバーに強い)が活かせる。感覚的な操作が簡単。

★スキャンといっても上から写真を撮るだけなので、1枚あたり1秒程度で済む。

★軽い

HDMIを備え、テレビ等のモニターに接続可能。

 

次はこれだ。

 

キヤノン フラットベッドスキャナ CanoScan9000F MarkII

キヤノン フラットベッドスキャナ CanoScan9000F MarkII

 

まず気になった所。

★デカイ、重い。置き場を考えて買わないと痛い目に遭う。

★スキャンがとにかく遅い。高画質を望むほど遅くなる(1コマ1分なんてことも)

★スキャン音がうるさい「ピーッ…ブブー…」

 

次に良いところ。

★画質がいい。編集するにしても元画像が高画質のほうが精度が高い。

★中版対応。2眼やハッセルやりたい、やりたくなっちゃうかも知れない人は対応機種を。

 

家の古いフィルムを皆で見ながら取り込むにはケンコーが、フィルムで撮り続けたい勇気ある人々にはキヤノンが適するだろう。

ネットに編集ナシで上げるとき、解像度としてはケンコーでOK。パソコンで編集したい人はキヤノン。どちらも色味がおかしいことがある。

 

私としては、時間がいくら掛かってもいいから、質のいい絵が欲しい。暗室で手焼きプリントしない限りどこかでデジタル介すでしょ?だったら断然高画質。

どうしても速いのがいい人はエプソンから幾つか出ている。

 

カメラと同じで、フラッグシップを買えば違いが分かるのだろうか?でも5万以上をスキャナーにかけようという人は多いのかな。

 

たぶん、銀塩プリントを習得(今年中には何とか‼)してもスキャナーは使うことになる。需要の面から考えてフィルムスキャナーが今後どんどん進歩するとは到底思えないので、このくらいで十分なのかも知れない。

そうだ、二眼レフの投稿ではCanonを使ったので、参考までに。

 

ではまた。

はじめての2眼レフ


f:id:cantonponeys:20160831033306j:image
おなじみ中野フジヤを覗いていたら、素敵なモノが転がっていた。りこーふれっくす。

無論ジャンクで、シャッターは全速OK、絞り・モルトも完璧に見えたから購入。ゴミのような値段だったし。

何故ならピントリングが固着して回らないから…!

どうしても撮りたくて、渾身の力を込めたら回った。この際指に怪我をしないよう、タオル等を用いるべし。タミヤのグリスを薄く塗って、無限遠を出して完成。

 ファインダーは暗くて見づらい上に左右逆像。左右が反対の世界が見える(そういう漫画あったな…)。

f:id:cantonponeys:20160831203504j:image

 IlfordのDelta iso100を詰めて、早朝の井の頭公園へ。ちなみに12枚しか撮れない。
f3.5 1/20
f:id:cantonponeys:20160831204728j:imagef4 1/50 お爺さんたちが可愛がっていた。
f:id:cantonponeys:20160831204850j:imagef3.5 1/50 グルグルボケ?

f:id:cantonponeys:20160831205026j:image

シャッタースピードのダイヤルにはクリック感がない仕様だから、100と50の中間で75?みたく、ほとんど露出はテキトーで撮っている。

 逆光。
f:id:cantonponeys:20160831205630j:image

f5.6 1/100 左下はフィルム取り出し時の光線。
f:id:cantonponeys:20160901013257j:image

80mm/f3.5のレンズ構成はトリプレット、つまり3群3枚構成(AiAFNikkor85/1.4は8群9枚)Anastigmatというのは、破綻が無いレンズよ、というような意味。それにしてもよく写る。

↓ムダ知識につき読むべからず↓

アナスチグマート(Anastigmat)

ツアイスにより設計された、遠距離、近距離ともに非点収差が補正されたレンズ。当初は「プロター」と呼ばれた。

現代の写真用レンズは殆どアナスチグマートである。

↑べからず↑

 

約70年前の廉価カメラ…こんなので撮れちゃうんだ!という驚きが大きかった。親しくしているカメラ屋のおじさんに見せたら、むかしPentax 6×7(通称バケペン)で撮ったポジを見せてくれた。青空に樹氷。何てキレイなんだろうと感動。

ポジフィルムはネガと違い、フィルムと写真の色が同じ。中版はそのまま観賞できる大きさだ。モノクロネガも魅力たっぷりだが、カラーは魔力たっぷり。 

 

最近中古カメラのなかでは中版が落ち目。安くなった今が買い時だ。フルサイズ?そんなの目じゃないね!

雨の日は。

台風の季節。涼しくなるのは嬉しいが、水はカメラの天敵だ。

錆び、カビ、粘り。電気系統の故障。

 

ボディもレンズも、水に濡れたら後が恐い。

Nikonの上位機やPentaxは何をしても壊れないと聞いたことがある。そう言われれば確かにそうであった。

Pentax SPは機械式なので、酷暑極寒に強い。野球の応援で座席にずっと置かれ、熱々になっていても普通に写真が撮れた。どしゃ降りの帰り道でリュックの中まで濡れたこともあったが、それでも撮れた───もちろん後でしっかり乾かしたが───基本フィルムカメラは薬品や炎に侵されなければ何をしても(フィルムだけは)大丈夫。カメラより撮った(またはこれから撮る)写真の方が大事でしょ?

 

今デジカメをこういう風に使おうと思ったら、そうはいかないだろう。α7なんか華奢すぎて常にイイコイイコしていなければいけない。壊したらデータがどうなるか分からない。帰ったらすぐバックアップ取らないと!

 

雨の日は。

 

雨の日は、カメラを持つのが面倒になる。傘をさしても首から提げたカメラに水がついてしまうから、右手で首の位置まで持ち上げたまま歩いている。端から見たらさぞ滑稽に映るだろう。

でも利点はある。右手親指をレリーズに、人差し指をピントリングに添えるので、ほぼ一瞬でシャッターを切れるのだ。レンズは万能の35㎜一本。手が小さい人は小型カメラを使おう。「雨の日はハーフ版のPENです」なんてのも素敵。

雨足がきつい時は鞄にしまう。どうしても撮りたいときはもうスマホでいい。

ああ、スマホって万能。

 
f:id:cantonponeys:20160830000124j:image

Nikon F3  35/1.4 iso400 f2.8 1/125

雨の銀座。下のモヤモヤは、急いで巻き戻していたとき手応えがなくなって、終わったのかな…と裏蓋を開けてしまった時の光線引き。幸い消えたのは24枚中4枚だった。

フィルムカメラを始めようと思っている人。持ち出して撮る前に、フィルム装填と巻き戻しを何度かやってみるべし。

雨の日も写真を撮る気分になれちゃう人。

台風が来ても持ち出すべし。

 

そうそう、撮るときは

自分の傘が写り込まないように。