ニコノスの写真日記

フィルムとデジタルの狭間からお送りします。毎日写真を撮って気付いたことを書くブログ。スナップ、ポートレートが大好き。twitter: @nikonosf

Lomography Lady Grey400と紅葉

ロモグラフィーのフィルム「Lady Grey」を初めて使ったのでレビュー。

 

 

今までモノクロはブローニーでしか撮ってこなかった。中判モノクロは緻密さにおいて価格を上回るものがあると思う。
f:id:cantonponeys:20161213215638j:imageBronica EC-TL+Zenzanon100/2.8 Acros100/SPD1:1希釈、22℃ 6min

モノクロはシルエットを撮りたくなる。

 

シルエット。

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F6+Nikkor-H 85/1.8 ladygrey400(以下フィルムすべてladygrey)

 

 

紅葉真っ盛りの小石川後楽園に行ってきた。『"後"楽園は、モノクローム。』なんてシャレてみましょう。 

楽園は、モノクローム。

楽園は、モノクローム。

 

 
後楽園遊園地から徒歩6分。f:id:cantonponeys:20161213221424j:image85/1.8

 

やっぱり撮るとき、モノクロを意識した撮り方になる。こういう石垣なんか「ハマるだろうな」と狙っている。
f:id:cantonponeys:20161213221444j:imageAiAF50mm f/1.4D

 

そこだけ切り取ると、まるで丘陵のような築山。手前の植物はみな枯れていた。ハスか何かだろうか。

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カラーで撮ったらキレイだろうな、と思うが、モノクロでつまらない写真はカラーでもダメ。逆も一緒(断言)。
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滝に紅葉を狙うおじいちゃんカメラマンたち。いくつになっても写真が撮りたい。50年後、フィルムカメラが存在していてくれることを願う。

どんなカメラ使ってるのか見に行ったら、かけてるお金が半端じゃない。
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花嫁さん、撮影中。
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ブロニカ EC-TL使いの方に遭遇した。「仲間」である。それが中古カメラ屋でよく見かける(話したこともある)オヤジさん。撮影に集中されているようだったので、声はかけずにおいた。

フィルム裏紙にFUJICHROMEと見えたからリバーサルだ。中判ポジ、やってみたい。

 

ざわ、ざわ。

モミジを探してください。
f:id:cantonponeys:20161213221712j:imageAF28mm f/1.8G

 

実は、明るい葉っぱが紅葉です。鮮やかな黄、赤でした。はい。
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お堂。え?水平出てないって?
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小径に入ると暗い。開放、最短。

岩に穿たれた穴は何だろう?
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飯田橋駅まで歩いて帰った。
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現像はSPD1:1希釈、20℃ 7min

今回、はじめてこのフィルムを使ってみて、グレーが印象的と聞いていた通り、優しい写り。あと、少し黄身がかった感じ。私の定着不足、あるいはスキャナーのせいかも知れないが。

カラーと違いモノクロは現像液により様々な顔を見せてくれるので、一概に決めつけられないところがある。楽しみが広がるということだ。モノクロ初心者なので作例をupするのみにとどめておく。

 

ここではお見せできないけれど、友人たちを写したものを現像してみたら、肌の感じを滑らかに描写してくれていて、とても気に入っている。好きな一枚をPCの待受にしてしまったくらいだ。

Lomographyのフィルムは人物、それも近しい家族や友人を撮るのに最も優れているのかも知れない。

 

 

茶ではない。

 

満足です。

105mm DC Nikkor f2.0

中古で安くなっていたので購入。

 

 

Nikon 105mm f/2.0 D DC

Nikon 105mm f/2.0 D DC

 

 

元箱も説明書もついている。

「この度はニコン製品をお買い上げ下さり誠にありがとうございます」

ううむ。

資産が有り余っていれば、F6を新品で買ってフィルムカメラ事業を応援したいのだけど、残念ながらファインダースクリーンくらいしか新品購入してない。 

 

なぜコレが欲しくなったか。私は読み物が大好きなので、写真を撮っていない時は何かしら読んでいる。(目がかわいそう…)

ニコンの「私のニッコール」とか「千夜一夜物語」とか、現役フォトグラファー御用達のレンズや開発秘話などが満載。載るのはやはり、明るいレンズ。片っ端から読むので片っ端から欲しくなるのである。レンズの良いところ悪いところは、価格コムはじめ各種評価サイトで取り(撮り?)沙汰されているけど、自分に合うかどうかはトコトン使ってみないとわからない。電気屋の店内で撮ってみても、逆光時の性能とか、暗所でのピントの見やすさとか、ましてや自分のカメラとの相性なんて一切わからない。だからこそ一旦欲しくなると悩みが解けないのである。

 

 

さて、当レンズの紹介であるが、

MFレンズしか使って来なかったからF6にマウントしてレリーズ半押しした時の驚きが大きかった。でもMFはしやすい。リングが軽すぎることなくピント精度を確保できるのだ。最新の超音波モーター駆動のAF-Sレンズと比べると、フルタイムMFが不可能、モーター動作音がウルサイ等いくつかの点が気になる。

ファインダーを覗いただけで、キレイな絵にうっとりする。ピント面がクッキリだ。f2解放の描写は、オールド・ニッコールを思わせるシャープさと2線ボケが同居した、ほんわり感を楽しめる。ファインダー像が綺麗なのだ。

 

それでは実写作例に参ろう。

つけた感じは望遠ズーム並で「レンズの性能はデカさ、重さに正比例する」法則に間違いはないと実感。レンズ外装の縮緬加工が高級感あって素敵。

 

1/250 f4 
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解放値が明るいので暗くても撮れる。次の写真はポジなので人物が暗く落ちている。

開放 1/125
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開放 1/8

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絞り、シャッタースピード、ピントに加えてDCでボケのコントロール、となると速射には向かないだろう。しかし、DCリングをゼロ地点に合わせればただの高性能な望遠だ。

こういう変わり玉があると、ポートレート撮影も楽しめる。DCリングをどのくらい回すと一番綺麗な写真になるか、モデルさんと一緒に探す。自分達の表現を探している実感があって楽しい。

 

でもこの玉、実はトンでもない代物だったのだ。

ポートレート② @代々木公園 - ニコノスの写真日記この記事の「ビバ、ボケ味」と書いた写真だが、よく見なくてもピントが合っていない。DCリングを後ボケ優先、f2地点まで回してAFで瞳にピントを決めたはずだったのに、このレンズで撮った写真が全てピンボケ。

 

急遽購入店に駆け込み、修理と相成ったがニコンの方で部品の在庫が無く、入荷次第取り換えますとの事。結局ひと月くらいかかってしまった。

 

写真をもっと上手く撮りたいと思ったら、単焦点レンズを勧められるだろう。

ポートレートを撮るには長めの玉がいいとされるが、105mmは85mm付近の中望遠と大して変わらないように見えて、まるで別物である。より望遠の効果が強いのだ。

スナップで使うと盗撮のようで気が引けるけれど、街撮りをするには気になったものの一部分を「切り取る」感覚が気持ちいい。

 

2017/01/4 作例追加

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f:id:cantonponeys:20170104160848j:image蜘蛛が嫌いなヒト、ごめんなさい。(でも、このボケは唯一無二とおもいますよ)

 

あ、いいなと思うとやはり50mm付近の画角で撮りたいものが多いから、まだまだ修行が足りないのだろう。私の普段使いにはなりそうにない。

マンネリに陥った時、望遠単焦点で出かけると…あれ?狭い狭い!どうしよう?

と考えながら撮るため、いつものレンズに戻ったとき新鮮な気持ちで写真が撮れる。

とっても、ホッとする。

 

 

最新のAF-S 105/1.4Eは電磁絞りのため、機械絞り専用機、つまり各種フィルム一眼レフと一部のデジタルに装着しても絞りが連動しない。

本当に明るさを必要とするのはフィルムなのに、どうして現行のフラッグシップF6で使えないのか、ちょっと疑問を感じるが、ニコンがこの御時世に新品のフィルムカメラを用意してくれることを有難く思わねばならない。プロの人は不満に思ったりするのかな。

 

 

さて、修理から戻ってきたDCニッコールであったが、修理内容を見ると「前ピンを確認しましたが、製品の仕様上ピントの調整が出来ませんので、劣化部品のみの交換となります」

あちゃー…

MFしか使えないなら持っていても仕方がないので、早々に売ってしまった。

ちょっと勿体なかったか。

 

これでF6で常用するのは28,50,85に落ち着いた。ふう。

この3画角さえ使いこなすことが出来たら、もう無敵なんじゃなかろうか?

今は被写体に出会った時、どのレンズで撮ろうか迷ってしまう。頑張らねば。

ちいさな銘玉 Nikkor-H 85mm

私のオールドレンズ遍歴 No.3

Nikkor-H Auto 85mm f/1.8
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このスペックでフィルター径Φ52って、信じられる?

 

オールド・ニッコールはボケが硬い。でも、ピント面のシャープさはピカイチ。

完璧な人がいないように、完璧なレンズも存在しない。各収差が即ちレンズの個性であり、味である。

古いレンズは癖が多いので、びっくりするほどヒドイ絵になることもあるが、その逆もあるから楽しい。数値性能としては現代と比べ物にならないけど。

 

最近のレンズは本当に優等生。何よりファインダーを覗いたときのシャープさが違う。一眼レフは基本的に絞り開放でピントを合わせるので、いつも見ているのは開放時の像。だから解像甘いなーとか、撮っていて感じてしまうのだ。

特に古いレンズは、暗くて撮れないとか、よほどのことがない限り少しは絞るようにしている。

高画素センサー用に作られたレンズをフィルムで使ったらどんなことになるのか、とても楽しみではある。

 

Nikon用の85mmは、AFMFともにたくさん揃っており、他社製を入れればもっと増える。Planer1.4/85。

AFじゃないんだけど、一度は使ってみたいナ、と思わせるZeissの魔力。

 

AFじゃ! 

 

 

 

Ai85mm f/1.4Sは以前使ったことがある。参考までに載せておこう。

暗いうちに目が覚めたので撮影へ。

開放 

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開放 

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街撮りには割といい画角。あ、望遠で盗撮は駄目だからね。

 

このレンズ、かなり太くて大きい。フラッグシップ以外の機種にマウントすると、ちょっと滑稽なまでの見た目になる。Nikkor 1.4/85 mmでも、重さは裏切らない。花なんかを撮ると、けっこう鮮やかに仕上げてくれる。

もちろん絞り開放
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何よりピント面をギュッと引き立ててくれるボケ味。まさに真性のポートレート用レンズである。

やはりフィルム時代のレンズということもあり、設計のシンプルさ故、単焦点で10群を超える現代のレンズには解像度、収差の面で太刀打ちできないが、十分使えるレンズと思う。

85/1.4のレンズだと、あのAF85/1.4Dが銘玉と叫ばれていることは有名だ。Nikonの新設計思想「三次元的ハイファイ」を支える計測機器“OPTIA”も示したことらしい。

私は(あくまで私は)フルタイムMFが出来ない、という時点で使いたくないが…

 

Ai85/1.4sについては、F3にマウントしてもまだ大きく、モードラをつけないとお辞儀をしてしまうので手放してしまった。

 

次は本命、Nikkor-H Auto 85/1.8。

 
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このレンズは私が最も長く付き合っている85mmだ。Pentax SP時代は、標準55mmのみで撮っていた(いま考えるとエライ!)が、ポートレートやるぞ!となって真っ先に手に入れたのがこれである。

 

 

自分に合ったレンズが欲しいな、と思いながらもネットで検索をかけまくり…「Nikon オールドレンズ 銘玉」とか「Nikkor ポートレート」とか…みんな調べるよね?

 

でも、個人のブログにはそれぞれ好き勝手書くわけで、あるブログには「現代的な写りがイイ」とあるのに「ボケの汚い駄作」と書く人もある。多くの人が実はレンズの専門的な事をあまりよく分かっていなくて、自分の感覚のみを信じて書いているのだ。さらに個体差がプラスされるので、もう何を信じたらいいのか迷ってしまう。

(買って)使ってみないと分からんぞ、ということだ。

 

 

かくいう私も、実写画像を見せられて「どんな収差が未補正か?」なんて聞かれても満足に答えられる自信はない。後ボケの方が汚いですね、くらいは言えるかも。

だからこのシリーズは本当に役に立つ。ニッコール千夜一夜物語 | NIKKORレンズの描写を考えるには構成を見るのが一番手っ取り早い方法。○○型はこういう特徴、と類別できるからだ。ちなみに私はダブルガウスが好き(聞きかじり、ですって…?)。

 

アイドル写真集みたいなキラキラしたボケの写真を撮ってみたくて、F1台のものを探した。オークションで見つけた気泡入りのコイツを落札して、自分で清掃して、Ai改造を施した。

非Aiレンズは絞り込み測光で、と言うけれど、ついついプレビューボタンを押すのを忘れ、失敗写真を撮ってしまう。そんなことなら削ってしまえ、とネットの情報を頼りに作業したわけだが、切削はとても正確だけど、素人改造だからもう下取には出せない(笑)

心配な方は関東カメラサービスさんにて切削改造を受け付けているそうなので、参考まで…にならなかった。閉店だって。http://kanto-cs.co.jp/

 

 

やってしまった。


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でもね、私はこれで十分。

 

f2.8
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絞れば解像度もこんなに高い、と言いたいけれど、スキャンの解像度が追い付かない…

写真はプリントが最終出力だから、出来ることならプリントスキャンでお届けしたいのだけど、まだプリント技術を学べていない。


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このコマは割とシャープに写ってるかな。

f5.6
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デジタルでもイケる。 

写真を撮る時AFは便利だけど、85mmでそれほど一瞬を争うカットに遭遇することは少ない。使うときは十分ピントに注意するので、実際AFが最も必要なのはじっくり撮る望遠ではなく、パッと撮る広角なのではないだろうか?と考えるようになった。

 

このレンズは重いことだけが気になる。

純正フードHN-7付きで約480gもある(AF-S85/1.8G:350g,AiAF85/1.8D:380g)ので、気軽に撮影するときはちょっとした荷物だ。

フードをつけると見た目もすごい

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家に置いて出ると、ああ85mm欲しいなと思うことが多いので、悔しい思いをしないように我慢していつも持ち歩いている。

 

気泡が写り込んだことはないし、ゴミが入ったら前群を取ってブロアーで吹けばキレイにできる簡単な造りである(ゴミが入るのは大抵絞りのある空間だから)。

メーカーAi改造のものは絞り環だけでなく絞り羽根も枚数が多いものに交換してあるらしく、
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絞り羽根は6枚

 

もし手に入れたら、よりキレイなボケが得られるんじゃないかと期待している。 けっこう好きな写りなので、いい出物があったらまた買うつもりだ。

露出計を選ぶ

クラシックカメラと付き合っていく人間に必要なもの、それは何だろう。愛?忍耐?

 

否、露出計だ。

 

写真を撮るとき正確な露出計と、それを使いこなす知識があれば、まず失敗しない。

私の使ってきたのは古い入射光式で、露出が合っているかいつも心配だった。

偶然立ち寄ったカメラ屋で、ブロニカの望遠レンズを値切ろうとして失敗、店から出た直後に露出計を落として壊す、という罰が当たったとしか思えないアクシデントに見舞われているため、以来私は「サニーシックスティーン・ルール」で露出を合わせている。で、ものすごく不安。

 

「サニーシックスティーン」とは

──シャッタースピードを1/ISO感度にしたとき、

晴天=f16

明るい曇天=f11

曇天=f8

暗い曇天=f5.6

日陰、夕方=f4

 

天候に応じて絞りを上のようにすれば、だいたい露出が合っている、という便利なルールだ。

例えばISO400で曇りなら、1/500でf8。

明るく写したければ半段くらいupさせればいい。実際このルールでほとんど間違いなく写る。心配になって露出計を見ると、驚くほど一致しているのがスゴいところ。

実際これで撮って失敗した試しがない。 

 

入射?反射?…勘露出?

 

入射光式のいいところは、その空間の「標準露出」を即座に把握できる点。

+補正が必要な逆光や雪山など、光線に左右されず露出が求められるのだ。

しかし、入射光式は計測場所の露出しか求められないため、遠くの風景などの計測は苦手。そこは反射光式の出番となる。

反射光式は、被写体の色により相当露出が狂うので、白い服のときは+1段半補正、など慣れが必要。

ただ最近のカメラは、被写体の色情報も加味した測光を行うので一概にどれだけ補正すれば良いかわかりにくい部分はある。まあ、そこも慣れであろう。

 

次の露出計はどれにしようか迷っているので、迷いの道筋を記しておこうと思う。

調べればわかると思うが、単体露出計というものは高価だ。

 

SEKONIC 露出計 スタジオデラックスIII L-398A JG10

SEKONIC 露出計 スタジオデラックスIII L-398A JG10

 
セコニック 【並行輸入品】Sekonic L-208 Twin Mate Light Meter (Black/White)

セコニック 【並行輸入品】Sekonic L-208 Twin Mate Light Meter (Black/White)

 
SEKONIC 露出計 デジタルマスター L-758D JH30

SEKONIC 露出計 デジタルマスター L-758D JH30

 

 暴利だ、と言っているわけではない。

これらを買うお金でNikon F3単焦点2本くらい手に入ってしまうから、どうしても躊躇するわけだ。

 

対策①

・勘露出を鍛える

よく行く中古カメラ屋のコンタックス爺(私が今つけたアダ名、CONTAX ⅢaとBiogonが自慢のおじいさん)は、もう50年くらい露出計なしで撮っているから、どんな状況でも間違いなく写真を撮れるという。尊敬。

 

対策②

・中古の露出計を買う

露出計は中古でも割と数が出ているので、選択に困ることはない。問題は、光電素子(漢字変換しようとしたら"香典阻止"と出てきた。やめて、阻止しないで…香典前借りして新品買おうかな。)が劣化して本来の性能が発揮されない点。古すぎるものは注意だ。

 

対策③

TTL露出計つきのカメラで代用

Nikon FGやPentax MXなど軽い(←ここ大事!)カメラに、露出計が付いていない方と同じ画角の単焦点あるいはズームをマウントし、TTL測光で露出を求める。撮影時は2台のカメラをぶら下げて歩く。軽いデジイチでもいいな。

 

対策④

スマホのアプリで測る

AndroidでもAppleでも露出計のアプリが出ているので、いろいろインストールしてみて試すといい。精度はまあまあ。

高い単体露出計を買うのって、結局のところ「安心」を買っているのかもしれない。

 

だいたい露出で失敗する時は、前のカットでセットした絞りやシャッタースピードを変えないままシャッターチャンスに遭遇してしまった時。構図とピントに気を取られ、撮ってから「しまった!」と青くなるパターン。

やっぱりAEは便利。

 

もし買うとしたら、候補は3つ。

 

フォクトレンダー VCメーターII

 

VoightLander VCメーターII ブラック 640047

VoightLander VCメーターII ブラック 640047

 

[VC-Meter2

いかにもクラシックカメラに似合いそうなデザインだ。ホットシューに取り付け可能で、中央重点測光くらいの範囲で定常光を測るらしい。私のブロニカにはホットシューが無いため取り付けは不可能(ほぼ現存しない幻のアタッチメントを取り付ければ可能)だが、首からブラ下げることもできるようだ。

 

 

セコニック ツインメイト

 

 

SEKONIC 露出計 ツインメイト L-208 J110

SEKONIC 露出計 ツインメイト L-208 J110

 

[ツインメイト L-208:露出計・カラーメーター・照度計:株式会社セコニック

小型なのに入射/反射光式がワンタッチで切り替えできる。こういう指針式では、アナログ時計のように直感的な読みができるから嬉しい。欠点は暗すぎるとき、f1.4で2秒露光みたいな時に精度が不安なところ。

これもホットシューに付く。

 

 

・セコニック フラッシュメイト

 

セコニック 露出計 フラッシュメイト L-308S L-308S 並行輸入品

セコニック 露出計 フラッシュメイト L-308S L-308S 並行輸入品

 

フラッシュメイト L-308S:露出計・カラーメーター・照度計:株式会社セコニック

これを買っとけば精度としては間違いないかな。入射/反射光式で測光でき、名前の通りストロボを炊いたときの露出もわかる。

ストロボを多用する私としては、とても便利。

よし、これにしよう。

大陸絞りのライカではちょっと苦労するだろうな。まあ、デジタルにも使えるからイイとしよう。

 

カメラと露出計を下げていると、通りすがりのオジ様に「お、写真学生か?」と訊かれて、違うと答えても信じてもらえないことがある。そうして声を掛けてくれる人が、お名前を伺うとけっこうスゴい方だったりする。

楽しい。

 

 

今日の一枚

Leica  DⅢ+Summitar50/2.0 Konica Centuria Super200

フィルムスキャン後モノクロに変換


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ズミタールはフードをつけても逆光だと著しく画質が低下するので、空が飛ばない程度にコントラストを高めモノクロ処理してみた。

フィルム写真が気になりはじめた人へ

デジタルは画素数においてカラーネガ(135フィルム)を追い越した、と言われて久しい。でも、デジタル写真がフィルム写真より美しいか、というと必ずしもそうではない。

私は両者を全く別物と考えている。

ちょっと言わせてもらうと、フィルムの方が奥行きある写真を作ってくれると思ってる。

 

ポジフィルムはいつもゾクゾクさせてくれる。いつか、2段増感したポジで室内ポートレート撮りたい。

 Nikon F6+Ai55/2.8s Provia400X
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Ai35/1.4s
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モノクロも素敵。色彩を捨てることで得るものは多い。

Leica DⅡ+Summitar50/2.0 APX400
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最も一般的なカラーネガでも。

Nikon F6+Ai50/1.4 C200
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Nikon F3+Ai35/1.4s PRO400H
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フィルムにあなたは何を求めるだろうか。

現像を待つ楽しみ?発色?ノスタルジー?

理由は何でもいい。

 

もし使ったことのない人は、いちどどんなものか見てみよう。lomographyのページフィルム · Lomographyは、様々なフィルムを「ロモグラファー」たちが撮った膨大な作例で溢れている。SUPERIA、Portra、fomapan、期限切れフィルムなんかもある。一度見たらフィルムで撮ってみたくなるだろう。きっと。

 

Adox color implosionみたいに色のバランスをわざと崩すフィルムもあるから、正当な写真表現ではないと批判されることもあるが、「おいらの写真どうなっちゃうの…?」なスリルも悪くない。自分は使わないけど。

 

フィルムカメラの歴史は、ご存知のようにデジタルより100年くらい長い。

文字通り名機も、迷機も存在する。昔は家一軒建つくらい高価だったライカも圧倒的に安く手に入る。高度成長期にしのぎを削ったフラッグシップたちもそう。我々は古今東西のカメラをよりどりみどりなのだ。幸い日本に住んでいれば、世界一品揃え豊富な中古カメラ業界が門を開いている。ベスト版、中判、大判、ポラロイドなど、夢が広がるではないか。

 

私は今までハーフ判、135mm(フルサイズ)、中判で撮ってきた。直感で「買い」と思った時を除いて購入の前には予備知識を蓄え、相場を頭に叩き込んでいる。これは絶対に損したくないからであるが、私は結構この下調べを楽しんでいたりするのだ。買い物というのはウキウキする。

フィルムカメラはおろか、初めてカメラを買う人もいるだろう。そういう人は恥ずかしがらずに聞けばいい。忙しくなければ相談に乗ってくれる、話していて楽しい店員さんから買うといい。

 

フィルムの良さとして、カメラさえあれば気軽にプリントが楽しめることを挙げておこう。

デジタルなら高いカメラにRAW編集アプリのため15万円くらいするPCと正確にキャリブレート(色調整)された5万円くらいするモニターを用いて現像し、色の正しく出るプリンターこれも10万は見ないと…と初期投資が半端ないけれど、フィルムなら撮影済みフィルムをお店に持っていくだけ。特にこだわらなければ同時プリントでOK。枚数撮らない人なら、デジタルより完成度の高い写真がデジタルより安くできると思う。

こだわりたい人は、プロラボに細かい指示を出して手焼き(アナログ銀塩プリント)してもらい、作品にすることもできる。

フィルムスキャンでもいい。

私はスキャンが未だに下手…

 

デジタルの良さはモチロン認めるし、私も一台持っている。撮ったものをすぐ確認、シェアできるのは確かに便利だし、フォトショップで大幅に色を変えられたりするのは魅力だ。

でも、ちょっと待った。
新発売レンズの等倍画像見てあら探しとか、オーバースペックのデジタルに古いレンズを付けて評論する前に、フィルムで撮ってみなさいって。写真の勉強になるし、解像度で勝負するより何倍も楽しいから。そのレンズの空気感を楽しめるから。

ほら、扉はすぐそこ。

 

Bronica S2+Nikkor-P75/2.8 Portra400
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おすすめフィルムカメラ5選+おまけ

 

 

 

TIRED OF HEARING FILM IS DEAD? WELL, SO ARE WE.

 

「"フィルムは終わった"なんて聞き飽きた?ああ、まったくだ。」(拙訳)

 

Film is not dead ! ;-)

 

Kodakのページhttp://cinescopophilia.com/tired-of-hearing-film-is-dead-kodak-sure-is/にある標語。超カッコいいね。

今やフィルムとデジタルを比較すべきではない。和食か中華、どっちが美味いか議論するくらいナンセンスだ。つまりは個人の嗜好の問題。

 

はじめてのイチガンが機械式フィルムカメラな私が、オススメのフィルムカメラを厳選して5台挙げていこう。

初めての方にも、上級者にもオススメできるように、基準として「壊れにくいこと」「比較的安価、おおよそ五万円以下で手に入ること」「デザインの秀逸さ」「拡張性」の4つを設ける。

Flickrの写真とともにどうぞ。

 

1.Nikon F3

彼は壊れない。この一言に尽きる。

壊れたカメラで真面目に撮っていたことに気づいた時、かなりの喪失感を味わうものだ。ジウジアーロによるデザインは所有感を満たしてくれるし、何より最近ガクガク値下がりしている。チタンボディとかこだわらなれば、普及機のFM3AやFM2より安いなんて素敵ではないか。絞り優先オートでも撮れるよ。

そして、視野率100%の安心感!!予想外の物が写らない。最近のデジイチでも普及機は視野率100%を達成できていないものが多い。

マニュアルフォーカス専用となるので、ピントの山は掴みやすくできている。特に大口径単焦点(f2.0以上)をマウントした時にその真価を発揮する。下の写真のように、ファインダーにHPと書いてあるのが「ハイアイポイント」と呼ばれるモデルで、目を離してもファインダー像がケラレずに(視野が狭まらずに)見えるようになっている。ファインダー倍率は0.75倍。「アイレベル」モデルは特別機能がない代わりにファインダー倍率が0.8倍。

Nikon F3

 

2.コシナVoigtlander bessa R2/3/4シリーズ

ライカにそれほどコダワリがなく、なるたけコンパクトに綺麗な写真を撮りたい人向け。

M型ライカと機能はほぼ共通、露出計を内蔵し、M、Lマウントレンズ装着可能。レンジファインダー機(ピントリングに連動する距離計を内蔵し、像のズレでピントを確認する仕組み)独特の操作感を味わえる。

でも、ライカマウントのレンズって高いんでしょ?いえいえ、そんなことはごさいません。キヤノンをはじめ国産のものやロシア玉、コシナ発売の優秀なコーティングが施された新品レンズのご用意も…つまり選び放題。

ちなみにシャッターは"M"シリーズなら機械式で、"A"シリーズは電子式。発売からそれほど経っていないので、どちらも修理はコシナにて受け付けている。写真はBessaT。

Voigtlander Bessa T

 

 

3.OLYMPUS PEN FT

「黒が締まる」描写が特徴の銘玉ズイコーたちで、ハーフサイズ写真が撮れる。 無印PEN Fとの違いは、TTL露出計がついていること。ガタが来ている個体も多いので注意して買うことをオススメする。ハーフサイズはたくさん撮れる。買ってすぐ36枚撮りなんかを入れると72枚も撮れてしまう。72枚撮るまで見られない。じりじり。12枚撮りなんてまだ売ってるのかな? 24枚撮りでも48枚だから、自然とパカパカ撮ってしまう。

ネガフィルムはローテクな気がするけれど、20世紀のものより大幅に性能が向上している。小さく撮って、大きく伸ばそう。レンズの画角は38mmだと換算55mmの画角になる。

もしかすると、奥山由之さんみたいな写真が撮れちゃうかも?なんて考える…

genealogy

 

4.Canon EOS-1V

イオスは夜明けの女神。F6と並びフィルムの最高峰。現行EFレンズ群と互換性があり、ほぼフルサイズデジイチのように使える。AFも速く、ボディの堅牢さは生半可じゃない。中古相場はF6より安いので、フィルムカメラで安心して撮りたい人やポジ使いにはこれがオススメ。

被写体が人間の場合、数cmピントがズレると「失敗写真」になる。絞り込んで目視以外にAFより速いMFを私は知らない。AFで大体合わせてMFで微調整、が最もスマートだ。

AFニッコールをいっぱい持っている人はF6を買おう。

Self Portrait in Mirror

Gratuitous Camera Porn

 

つぎは中判に行ってみようか。

6×6以上で撮った写真を見たとき、その包容力とボケの大きさにウットリすることだろう。

5.Pentax 6×7

通称バケペン。

"バケ"モノみたいに大きい"ペン"タックスのカメラだからバケペン。あ、言わなくてもわかるか。35mmカメラのように使えるので、他の中判カメラと比べると操作が圧倒的に楽だ。巻き上げするとき持ち替えないでいいのは便利。

カメラ女子にも人気らしい。ボディもレンズもとにかく重いので、女子に限らずこれで撮影に赴く人は根性ある。(撮った写真がキレイなので報われると思う)

シャッターが機械式の旧モデルと電子式の新モデルがあるが、私は機械式をオススメする。旧モデルも露出計用の電池が要るので注意。DSC_0173 copy

Pentax 67そうそう、ウエストレベルファインダーもある。

 

 

番外編 個人的に好きなやつ

 

Zeiss Ikon IKOFLEX Ⅱa

こちらは2眼レフ。見て下さいこの都会的なデザイン!Ikoflexローライフレックスが曲線的で優美ならイコフレックスは直線的でシック。ましかく写真が撮れます。

フィルムロードは一コマ目だけ赤窓で合わせて、あとは普通に巻き上げれば良い。シャッタースピードは1秒から1/500まで。

よく見ると世の中にましかくな物は多くない。頑張って構図を組み立てるのだ。

Untitled

Rolleiflex

 

 

番外編2 これで撮ったみたい

インスタントまたはポラロイドフィルムのカメラ。なかなか味のある絵ができて、「オンリーワン」という所が非常にいい。儚くていいね。

昔は「ポラロイドバック」というのがあって、ポラロイドフィルムの入る交換フィルム室を35mmや中版カメラに取り付けて、今のテザー撮影(実際どんな感じに写るか見ながら撮影する方法)のように、モデルへの指示やアングルの確認、色の確認に使っていた。

ポラロイドフィルムは物凄く高いし、チェキのフィルムはチェキ以外には使えない(※①)ので、ポラロイドバックを活用することはできなそうだ。

※① 現在、チェキ規格フィルム使用可能カメラが続々増えている。新発売のライカ ゾフォートを筆頭に、Lomoトイカメラとか、チェキ用二眼レフなんてのもある。レンズ交換できるチェキがあればいいな。夢が広がる。

cheki3

[2014_09_22] Polaroid OneStep

 

以上、参考になれば幸いである。

 

 

今日の1枚


NikonF3 55mmf2.8 f16,4s,PRO400
f:id:cantonponeys:20161030134209j:image

重量級レンズのふしぎ

85mm f1.2 noctilux f0.95,1435 f2.8…

もはや「高級レンズ」と呼んだ方がいいのではないか?

こういうレンズ達は軒並み大きなガラス玉が鏡筒に詰まっている。キヤノンの1.2兄弟や2.8通しズームともなると見た目はバズーカだ。

a new partnership

 

レンジファインダー機のレンズは一眼レフに比べて明るくても小さいものが多い。

これは後玉のミラー干渉を防ぐため、フランジバックを長くした影響だ。ミラーのないフジのxマウントやライカL,Mマウントはレンズが小さく済む。(Xのズームやf1.2はデカイ)

あれ?あのα7は?

フランジバックめっちゃ短いんじゃないの?

なのに、なんであんなにレンズがデカイの?

 

ソニーの人と話す機会があったので、ずっと気になっていたそこを聞いてみた。

Nikonos「小さくて軽いレンズは作れないんですか?」

Sony「確かにレンズを小さくすることもできますが、α7シリーズで狙うのはヘビーユーザーで、お手軽にパチリという層ではないからです」

Nikonos「大きなレンズでないと画質確保は難しいんですか?」

Sony「そうなりますね。オートフォーカスが入るので尚更、大型化は避けられないんです」

そうなのか。

現代ライカのレンズは画質より写りに気を遣ってるのかな?使ったことないからわからないな。ハマる人があんなにいるのだから、人を魅了する何かがあるのだろう。

 

デカくて重いレンズほど解像力が高い、または明るいと考えるのがよさそうだ。

 

今日の1枚

 

 

Sony α7+Nikon 35mm f1.4

f:id:cantonponeys:20161028005742j:image

 

 

昼フィルム、夜デジタル。