カラー&モノクロネガ 自家現像
自家現像の手引き 〜機材、薬品、手順〜
フィルムを現像に出し「一週間かかる 」と言われジリジリしたことはないだろうか。コストに追われて出した格安現像店の仕上げに憤慨したことは?そもそも現像って自分でできるの?できるなら、方法は?と思ったことはないだろうか。
このページでは、私の調査と試行錯誤の結果をお見せする。過程については長くなるので省くが、少しでも参考になれば幸いである。 (ちょっとカッコよく書いてみた)
自家調合の話が出てくる。もっとこうした方がいいよ等の助言、やってみたよ報告(自己責任で👍)は大歓迎なので、お気軽にコメント下さい。
揃えるもの
機材編
・現像タンク・リール
基本なんでもいいが、220フィルムを使いたい人は現在パターソン一択。220用金属リールは数がとても少なく、探すのに大変骨が折れる(120用は多く出回っている)。ステンレスのものは薬品耐久性に優れるが、撹拌にコツが必要だ。しかし、慣れればプラリールも金属リールもほとんど一緒なので、特にどっちがどうということはない。マスコタンクを崇拝する方も散見されるけれど、それは多分、神話。好きなものを使いこなせればいい。
Amazonにはこれしか無かった。いきなり8本はキツイな。ヨドバシはじめ家電量販店のサイトで、もっと小さいものを購入可能。私は135フィルムを2本orブローニーを1本処理できる「ユニバーサル」タイプを使っている。
専用のホースがあるのだけど、使うと水洗がはかどる。
こっちも持ってる。
・写真用手袋
レンズの後玉より大事なネガに手の油分をつけるなど言語道断。専用の手袋の購入を勧める。で、汚れてきたら洗う。洗うと少し縮むので大きめを買うと良いかも知れない。
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・ゴム手袋
薬品を扱う時に用いる。できれば防護メガネも欲しい。
ラテックスの使い捨てが便利。最近はフィルムをリールに装填するとき、手の汗でダークバッグ中に湿気がこもり、フィルムにホコリがつくといけないのでゴム手袋で作業している。
・エプロン
薬品が衣服に付かないように。もしもの時は速攻着替えること!
・フィルムピッカー
現像するとき、フィルムのベロ出しに使う。ベロを出さずに栓抜きや缶切りを使って、パトローネを開けてしまう方法もある。どちらでも、お好きな方でどうぞ。
・薬品の保存容器
我が家では固体→空瓶、液体→ペットボトル、と分けている。
・はかるものいろいろ
メスカップ
だいたいで計るとき使う。1L、2L用があれば便利。
細かい計算のとき用いる。私はテキトーな人間なので、計量くらいは正確に…とココだけ張り切っている。。精度が欲しいならこういうガラス製のものを使うといい。実験室ぽくってカッコイイし。でも風呂場で割ると悲惨です、後片付けが。
はかり
デジタルのものを勧める。キッチン秤でよい。精度も高い方がモチロンよいが予算に応じて買うべし。
温度計
継続的に温度を知りたいものはアナログで、パッと測りたい時はデジタルで。私はデジタル一本だけ。
タイマー
突然ウンともスンとも言わなくなることがある。スマホのタイマーでいい。
このアプリはもっと便利。LabTimer on the App Store
完全防備。
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・フィルムクリップ
これを買っておけば悩まなくて済む。私はフィルムの下に挟んだ洗濯バサミにハンガーを引っかけてオモリにしている。
ブローニーに普通の洗濯バサミだと湾曲してしまうので、幅広のものを使うか、乾燥後に改めて重しを乗せて平らにするか。
・ネガシート
安いものでよい。できれば後でネガアルバムにできるもの。現像してただネガシートに収納、だけでは後で地獄を見る。
昨日は半年サボったネガの整理。数台カメラを持っているので「撮った順」が難しかった。
— ニコノス (@nikonosF) 2016年12月10日
わかりますか?ネガ整理で休日を終える気持ち。あの写真はここだ、とわかるうちに撮影終了の年月日だけでも書いておこう。私は紙の短冊に「'16 11/15 後楽園 紅葉 A君 研究室飲み会」みたいに書き付けて挟み込んでいる。
フィルムをスキャンした時、PCのデータ名とネガシートに1716('17年 16本目の意)など番号を振っておくと焼き増しのとき探しやすい。
ゴールまで、もう一歩。
薬品編
Part1 カラーネガ用
現像液+スターターのみ既製品を買っている。漂白、定着液は自家調合。
手順とともに紹介する。
発色現像
オリエンタル コダックC-41RA互換"BAN-1R"
1Lのとき(50℃温水660mL→A60mL→B15mL→C15mL、水225mL、スターター25mL)で混ぜると30℃付近の現像液が完成。ほぼワンショット(使い回しナシ)だが24枚撮りとか、クロスプロセスの現像しようかな、という時は一回使った液を再利用することがあるくらい。
発色現像は、30℃-8分または38℃-3分15秒。処理に長い時間をかけると、より高解像な像が得られる感がある。現像不足も防げる。ただしコントラストが高くなるわけではない。経験上、最も大事なのは液の濃度だ。これさえ合って入れば経験則で「温度が0.7℃低いから現像時間+30秒チョイかな…」みたくイジれるのも、ひとつの利点。
自家現像には1つ悩みどころがある。現像ムラだ。はじめてのモノクロネガ現像で出た。
特にそれから方法を考えたわけではないけれど、以来現像ムラとは無縁の日々だ。いつもパターソンのタンクで倒立撹拌はせず、攪拌棒で時計回り、反時計回りに始終クルクルやっているだけであるが…。
これは理論ではなく経験なので、とにかく場数を踏んで撹拌のコツを覚えましょう。
漂白
水(40℃) 800mL
赤血塩 50g
臭化カリウム(ブロムカリ) 15g
溶解、水を加えて1000mL
35-40℃で3分
上の処方か、既製品の漂白液をそのまま使う。こちらは35-40℃で45秒。
5,6回使ったら廃棄。2回目からは+30秒ずつで処理。
ここにも水洗を挟む。その間にタンクから排出した漂白液を元のボトルに戻し、定着液の準備。
定着
モノクロフィルムと共用。
Kodak F-24処方
水(50℃)500mL
ハイポ(チオ硫酸ナトリウム) 240g
亜硫酸ナトリウム 10g
亜硫酸水素ナトリウム 25g
水を加えて1000mL
35-40℃で4分。硬膜化はされない。
定着液はけっこう長く使える。私はちょっと多めに作って10回(つまり、135フィルムを20本)くらい使い回すのだが、その度に+30秒で処理する。
定着がきちんとなされていないと、もやっとしたネガになり、さらに保存性も著しく低下する。
こちらも既製品の定着液を買えば失敗はまずない。35-40℃で1分30秒。ただ、大きな容れ物で届くので、早めに使い切らないと劣化するおそれがある。定着液の材料はさほど高価なものではないので、自家調合でもコストはさほど跳ね上がらないだろう。
漂白液と定着液は、現像液より多くフィルムを処理できる。しかし、平均処理可能本数は知っておくべきである。
既製品なら、容器の後ろやデータシートに書いてあると思うが、自家調合、または何本処理したか忘れた場合、自分で調べなくてはならない。
以下に定着液のテスト法を紹介する。
・未露光フィルムを安全光下で新しく調合した定着液に浸け、透明に抜けるまでが「標準時間」
・何本か処理した液を用いて同様の作業を行い「標準」の倍以上、時間が掛かるようなら使用を止めるべし。
薬品は森本薬品さんで購入している。 http://www.morimotokasei.co.jp/smartphone/list.html?category_code=ct18
最後に水洗(10分以上)してドライウエル浴。以前テストフィルムをドライヤーで乾かしたことがあったが、ホコリだらけで見られたものではなかった。温水シャワーを壁一面に浴びせホコリを落とした浴室の扉をピッタリ閉め、換気扇をかけて4時間放置。その日の湿度により乾燥にかかる時間は違うが、コマのないところの乳剤面を触ってペタペタしていなければOKだ。
Part2 モノクロ用
ここでは私が現在取っている方法のみ記す。カラーは半年くらいやっているけど、モノクロはキャリアが短い(始めたばっかり)ので、「とりあえず像は得られますよ」という程度である。幸いモノクロについては諸先人が書き残された優秀な資料が溢れているから、そちらを併せてご覧になることを強く勧める。
現像
フジ スーパープロドール
5L用の容量が300gだから、各自必要量を計算して下さい。私は1:1希釈でやってます。
停止
クエン酸
これは酢酸のように臭くないし、料理や掃除にも使えて重宝する。アルカリの現像液を酸で止めるだけなので、水洗で代えることができる。私は量も時間もテキトーである。1分くらいかな。しかし、あまり大量に入れてしまうと化学変化により画像に斑点が出来るので注意。キッチリやりたい人は、モノクロ停止液処方の酢酸水溶液のpH(約3.5)と同じになるよう調整すること。ただし、定着の前に予備水洗を省かないこと。
定着
カラーと共用、時間も共通。
水洗
フジQW浴1分+水洗10分以上
ある程度フィルムを貯めた方が効率よく現像液を使えるが、未現像フィルムをどこに置いておくか、というのが問題だ。いろいろ考えた結果、未現像フィルムは冷蔵庫のチルドに詰め込んでいる。なぜなら、これが一番長持ちすると予想されるから。写真フィルムは化学変化である。温度が低い方が無駄な変化が起きなくて済むのだ。
kodak映画用フィルムの説明書に"生フィルムは13℃以下で保存すべし、長期にわたる保存は-18から-23℃で"とあるが、撮影済みのものは速やかに現像することを推奨している。
厳密な管理下において実験してみなければわからないけれど、経験上では結露した水滴による被害は出たことがない。
※注意
薬品の管理であるが、子供・ペットには注意。同居人がヘンな気を起こして飲んでしまう、なんてことも想定して万全の対策を取っておくこと。処理薬品は盛りつづければ殺人も可能だ。
廃液に関しては、近くの業者さんに委託する。規定通り処理しないと犯罪である。
本番のまえ一度は必ずシミュレーションをすること。業務用ネガの24枚撮り、一番安い120フィルム(使い終わったらテストフィルムにしよう)でいいから勉強のために1本犠牲にするといい。そうしないと大事なネガが「練習用」に化ける。ちなみに私も1度やらかした。
失敗例
成功例
以下、調査にあたり主な参考とさせて頂いたサイト。お世話になりましたm(_ _)m
カラーネガフィルムの自家現像をやってみた - ドール写真日記
ポートレート③ @四谷界隈
モデル: ゆいさん
ロケーション:四ツ谷駅周辺
今日の機材
Nikon F6
AiAF28/2.8(New)
Ai55/2.8s
Nikkor-H85/1.8
Sony α7
Leica DII+Summitar50/2.0
スピードライト SB-22 SB-400
三脚、丸レフ
天候は曇りで、強めの風。
少し寒かったのと、迎賓館が閉まっていたのもあってか人が少なくて撮りやすかった。
日中はどんなレンズも絞るから、とF2.8のマイクロレンズが主力。
若葉東公園という所で、シンメトリーなイギリス風(かな…?)の庭園。噴水もある。
AiAF28mm f/2.8
↑広角で脚長効果。これだけデジタルです。グレーカードも使用。
デジタルは結果がすぐ分かるから、「こんな風に写りますよ」とモデルさんとイメージ共有するのに使っている。
でも、機材のことだけを考えて撮ると、ツマラン写真になりやすい。
ズミタールなら静謐な空間にしてくれるだろう、と思って写した。
Summitar50/2.0
そうそう、このときいい風が吹いて、「飛びます!」とか言いながらフザけた。
いつもは守衛さんがいる場所だが、今日はお休み。
中に入ってもらった。
見えますか…?
撮影前に黒に染めてきたという。
ここは撮らねば!
構図がフクザツなので、色はシンプルに。
私はちょっと汚い所で撮るみたいな嗜好がある。ゆいさん、お世話になります。
自分で撮った写真って、撮ってすぐは「こうした方が、ああした方がよかったかも…」と悪いところが目につく。でも、ある程度時間を置いて見ると、悪くないなと思ってしまうのです。特に数ヶ月現像していなかった写真なんか、ね。
なんだか、懐かしい気持ちになる。
Nikon F3+Ai50/1.4
こういう、淡い色彩が大好きです。印画紙に手焼きしたい。
今回レポートが遅くなったのにはワケがあって、今まで失敗続きだった自家現像が、やっと安定した結果を出せるようになり(ライカで撮ったものは失敗…)試行錯誤するうちに貯めに貯めてしまったからだ。
──フジのフィルムは赤がガッツリ出る。
前回に引き続き、2度目の撮影。ゆいさん、ありがとうございました。
機材紹介 No.2
2016年、去年はいっぱい売って、いっぱい買いました。
ってことで機材紹介No.2いってみましょー
NikonF6
AF-S 28mm f/1.8
AiAF50/1.4D
Nikkor-H Auto85/1.8(非公式Ai改)
スピードライト SB-400
ZENZABRONICA EC-TL
Nikkor-P 75/2.8
Nikkor-H50/2.8
Zenzanon100/2.8
Olympus-PenFT
F.Zuiko38/1.8
D.Zuiko105/4.0
Leica DⅡ+Summitar50/2.0
Sony α7
もはやα7が動画用としてしか機能してない。そしてマウントアダプターは売るほど持ってるのだ。
ブロニカレンズをニコンFマウントかFEマウントに変換するやつが欲しいのだが、探してもどこにもない。需要がないんだろうか。
最近3Dプリンターを買ったガジェクラな友達がいるので、自分で設計してアダプターを作らせてもらえないかしら、と考えている。
ゼンザブロニカは、一台目のS2のフランジバックが合わず「修理不能」、2台目がシャッター不調で返品。SQを買おうか、ハッセルに行ってしまおうかと迷うもレンズを2本も揃えてしまっていた。
ブロニカはEC-TLⅡまでがフォーカルプレーンシャッターで、ETRからがレンズシャッターである。マウントが2種類(正確には3,4種類あるが)。ハッセルのように互換性はない。
結果、レンズを活かすためEC-TLを購入。東京光学(トプコン)の製造になる100mm f/2.8もついてきてウレシイ。
もう壊れないで欲しいな。ホント。
Nikkor-H50/2.8
明けましておめでとうございます。
— ニコノス (@nikonosF) 2016年12月31日
2017年も全部フィルムで行きます。ヨロシクです。#photography #coregraphy #portrait #construction #snaps #写真で振り返る2016年 #写真好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/jVJk5mCLum
それでは、今年も頑張ります。
Fuji Acros増感現像 snap
始めっからお金の話で恐縮でありますが…
2016年12/20現在、一番安いモノクロはNeopan Acros100。
FUJIFILM 黒白ネガフイルム ネオパン 100 ACROS 35mm 36枚 3本 135 ACROS100 NP 36EX 3SB
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2013/04/01
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FUJIFILM 黒白ネガフイルム ネオパン 100 ACROS ブローニー 12枚 5本 120 ACROS100 EP NP 12EX 5
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2013/04/01
- メディア: Camera
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カラーに限って言えば一般用とプロ用フィルムの差は歴然だ。プロ用の方がきめ細かいし、色再現も自然だ。もう悲しくなるくらいの差。
でも、アクロスは私の要求に大方答えてくれる。今までの課題は、常用とするには感度が低すぎること、微粒子すぎる(キレイすぎる)ことであった。自家現像を始めてから、現像液スーパープロドールが増感に対応すると知って、試してみたら上手くいったのでご報告。
ISO100→200のつもりで現像した。
SPD1:1希釈 22℃ 8分30秒
Camera:Bronica EC-TL
ブロニカの絞り優先オート、かなり便利でクセになる。
Zenzanon100/2.8 開放 オート露出
Zenzanon100/2.8 f4 1/500
猫の可愛さに溺れて、串刺し構図。「首切り」「串刺し」に気を付けようと考えるのだけど、何故かやってしまう。
Zenzanon100/2.8 開放、最短 オート露出
Zenzanon100/2.8 f5.6 オート露出
Nikkor-O 50/2.8 f8 オート露出
昨日撮ってすぐ現像した。替えのフィルムが1本しか無かったので、
急遽お店で購入。高い…好きだけど。
調子によるが、6×6の12枚撮りだと1日平均1本は消費するので自家現像せねば、おいそれと外食できない。
今回の結果でとりわけ気に入っているのは、増感によって粒子が荒くなったこと。森山大道になりたいワケではないけれど、街を撮るときモノクロは爽やかではいけない。もっとねちっこい方が、しっくり来る。
何かしら参考となれば幸いです。
シャッター音とカメラ
友人が知らぬ間にNikon F3を手に入れていた。レンズはAi50mm f/1.4S。filmphoto仲間が増えて嬉しい。
撮影2本目にしてフィルムの巻き戻し方がわからない…と私のところへ駆け込んできたホヤホヤの初心者だ(1本目は写真屋で出してもらったらしい)。
F3/T+モータードライブでフィルムデビューという、かなりゴツい組み合わせなのだが、これには理由がある。
買ったときについてきたけど、使い方がよく分からない、と聞いて私は彼女にこのセットを売った店員を密かにケイベツした。聞かなかったのは良くないけど、一目でわかるほどの初心者に使い方さえ教えてくれないのか…⁉
押せば写るようなカメラを買ったならまだしも、F3チタンでこの対応…聞いたら私もよく行くお店だったので、余計ガッカリ。
極めつけは、ISO400をISO200の設定で撮ってしまっていて(私が気付いた)、減感現像をしたけど真っ白だったという悲劇。(※16/12/18修正)
「今の若い人はファッションでスチルやってるからねェ…」なんて言われたくない。どんな気持ちでわざわざフィルム使って撮ってるか、分かってくれなくてもいいけど、悔しい。せめて温かく見守って欲しいのです。
まあ、怒ったって始まらない。楽しもうじゃないか、と単3電池8本を入れたモータードライブを装着(←電池蓋の隣にある黒い蓋をコインで外す。外した蓋は電池室のスキマに入れる)し、百科事典みたいに大きくなったF3を渡す。
N「シャッターおしてごらん」
📷✴ジャキーン‼
けっこう驚いていた。
もっと驚いていたのは喫茶店にいた他のお客。
F3+モードラの音はこれまた秀逸で、iPhoneカメラの音声をそのまま重厚感アップした感じの音が甲高く響く。その音量も半端じゃないのだ。
私は大好きだけど(F6のより好きかも)。
外へ出てまもなく「重すぎ」と言ってモードラを外して撮りはじめた彼女。ただでさえ重いチタンボディにモードラはカッコいいけど、写真散歩やスナップには当然ながら向かない。
最大の利点は巻き戻しが電動で済むので楽ってとこかな。
その日は1日、カメラの使い方を教えながら写真散歩していた。F3のシャッター音が、ちょっとだけうらやましくなった。
うまく撮れてるといいな。
川島小鳥のZINEに夢中。
シャッター音って大事だと思うんですよ。
カメラの声ですね。
「いま、写真撮りましたよ」という合図でもある。人を撮るときは撮影のリズムも作ってくれる。こういう場合は大きいシャッター音の方がカンジ出るよな。暴力的なシャッター音は、もはや快感だ。
スナップをするときは2眼レフをはじめとするレンズシャッター機とか、ライカに代表される布幕フォーカルプレーンで、ミラーのないものを勧める。耳を澄ませないと聞こえないほど音がほとんどしないからで、余計な悶着を起こさずに済む(ライカを使いノーファインダーで撮っても怒鳴られることはある。念のため)。
布幕フォーカルプレーンといえど、Pentax SPやNikomatなどの一眼レフはミラーの動作音があるので注意が必要。
自分が何を撮りたいかわかったら、どんなシャッター音のものが合うか、考えてカメラを選ぶといいだろうし、別に買ってから考えてもいい👍
カメラの外観とか、シャッター音は変わらないから、自分がカメラに合わせる、多少ハードにソフトを合わせていくことになる。
長く使っていると、家族や恋人のそれと同じく耳の奥に浸透してくるから、異変があれば即座に気付くことができる。
以前、プログラムオートで撮っていたF6のシャッターを異常に速く感じ、何でだろと思い確認したら、DXコードの読み取りエラーでISO3200になっていた。そりゃ、高速で切れるはずだ。
シャッター音によって、だいたい何分の一秒で切れたな、とわかったら慣れた証拠。
機械式なんかだと、使い込むほどに滑らかになっていくので、また別の楽しみがあるのだ。
精密に作られ、大事に使われてきた機械は、動くときにヌメヌメした感じがして、シャッターにも無駄な衝撃がない。あらゆる不便さに耐えてまで使いたいと思わせる魅力がここにある。
軽快に、あるいは豪快にシャッター音を響かせながら撮影するのは、毎日撮っている慣れたカメラであっても楽しいのだ。
もし、ワケあって好きなカメラとお別れすることになっても…街中でそのシャッター音を聞いたとき、(自分の場合)即座に「あ、F3だ」などと振り向いてしまう。
雑踏のなかでふと聞こえた声で肉親や、好きだった人を思い出すことはないだろうか。
あるいは嗅覚の方がそういう体験は多いかも。中古カメラはそれぞれ、色んな匂いがする。「この匂いどこかで嗅いだことあるような…」と思うとカメラの匂いだったりする。
中古カメラはそれぞれ個性があって思い出深いのだ。
あなたに、カメラとのいい出会いがありますように…
Lomography Lady Grey400と紅葉
ロモグラフィーのフィルム「Lady Grey」を初めて使ったのでレビュー。
Lomoなんて…とバカにしてきたけど、ネットの作例みたら撮ってみたくなった。
— ニコノス (@nikonosF) 2016年11月30日
Lady Grey400にチャレンジ。#film pic.twitter.com/7ZBQhPAQnk
今までモノクロはブローニーでしか撮ってこなかった。中判モノクロは緻密さにおいて価格を上回るものがあると思う。
Bronica EC-TL+Zenzanon100/2.8 Acros100/SPD1:1希釈、22℃ 6min
モノクロはシルエットを撮りたくなる。
シルエット。
F6+Nikkor-H 85/1.8 ladygrey400(以下フィルムすべてladygrey)
紅葉真っ盛りの小石川後楽園に行ってきた。『"後"楽園は、モノクローム。』なんてシャレてみましょう。
後楽園遊園地から徒歩6分。85/1.8
やっぱり撮るとき、モノクロを意識した撮り方になる。こういう石垣なんか「ハマるだろうな」と狙っている。
AiAF50mm f/1.4D
そこだけ切り取ると、まるで丘陵のような築山。手前の植物はみな枯れていた。ハスか何かだろうか。
85/1.8
カラーで撮ったらキレイだろうな、と思うが、モノクロでつまらない写真はカラーでもダメ。逆も一緒(断言)。
50/1.4
滝に紅葉を狙うおじいちゃんカメラマンたち。いくつになっても写真が撮りたい。50年後、フィルムカメラが存在していてくれることを願う。
どんなカメラ使ってるのか見に行ったら、かけてるお金が半端じゃない。
85/1.8
花嫁さん、撮影中。
85/1.8
小石川後楽園でブロニカを使うおじ様がいた。フィルム装填速くてカッコよかった。
— ニコノス (@nikonosF) 2016年12月12日
ブロニカ EC-TL使いの方に遭遇した。「仲間」である。それが中古カメラ屋でよく見かける(話したこともある)オヤジさん。撮影に集中されているようだったので、声はかけずにおいた。
フィルム裏紙にFUJICHROMEと見えたからリバーサルだ。中判ポジ、やってみたい。
ざわ、ざわ。
モミジを探してください。
AF28mm f/1.8G
実は、明るい葉っぱが紅葉です。鮮やかな黄、赤でした。はい。
50/1.4
お堂。え?水平出てないって?
28/1.8
小径に入ると暗い。開放、最短。
岩に穿たれた穴は何だろう?
85/1.8
28/1.8
飯田橋駅まで歩いて帰った。
28/1.8
現像はSPD1:1希釈、20℃ 7min
今回、はじめてこのフィルムを使ってみて、グレーが印象的と聞いていた通り、優しい写り。あと、少し黄身がかった感じ。私の定着不足、あるいはスキャナーのせいかも知れないが。
カラーと違いモノクロは現像液により様々な顔を見せてくれるので、一概に決めつけられないところがある。楽しみが広がるということだ。モノクロ初心者なので作例をupするのみにとどめておく。
ここではお見せできないけれど、友人たちを写したものを現像してみたら、肌の感じを滑らかに描写してくれていて、とても気に入っている。好きな一枚をPCの待受にしてしまったくらいだ。
Lomographyのフィルムは人物、それも近しい家族や友人を撮るのに最も優れているのかも知れない。
茶ではない。
Lomography 632 35 mm 400/36 ISO Black and White Lady Grey - Pack of 3 (Black) [並行輸入品]
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満足です。
105mm DC Nikkor f2.0
中古で安くなっていたので購入。
元箱も説明書もついている。
「この度はニコン製品をお買い上げ下さり誠にありがとうございます」
ううむ。
資産が有り余っていれば、F6を新品で買ってフィルムカメラ事業を応援したいのだけど、残念ながらファインダースクリーンくらいしか新品購入してない。
なぜコレが欲しくなったか。私は読み物が大好きなので、写真を撮っていない時は何かしら読んでいる。(目がかわいそう…)
ニコンの「私のニッコール」とか「千夜一夜物語」とか、現役フォトグラファー御用達のレンズや開発秘話などが満載。載るのはやはり、明るいレンズ。片っ端から読むので片っ端から欲しくなるのである。レンズの良いところ悪いところは、価格コムはじめ各種評価サイトで取り(撮り?)沙汰されているけど、自分に合うかどうかはトコトン使ってみないとわからない。電気屋の店内で撮ってみても、逆光時の性能とか、暗所でのピントの見やすさとか、ましてや自分のカメラとの相性なんて一切わからない。だからこそ一旦欲しくなると悩みが解けないのである。
さて、当レンズの紹介であるが、
MFレンズしか使って来なかったからF6にマウントしてレリーズ半押しした時の驚きが大きかった。でもMFはしやすい。リングが軽すぎることなくピント精度を確保できるのだ。最新の超音波モーター駆動のAF-Sレンズと比べると、フルタイムMFが不可能、モーター動作音がウルサイ等いくつかの点が気になる。
ファインダーを覗いただけで、キレイな絵にうっとりする。ピント面がクッキリだ。f2解放の描写は、オールド・ニッコールを思わせるシャープさと2線ボケが同居した、ほんわり感を楽しめる。ファインダー像が綺麗なのだ。
それでは実写作例に参ろう。
つけた感じは望遠ズーム並で「レンズの性能はデカさ、重さに正比例する」法則に間違いはないと実感。レンズ外装の縮緬加工が高級感あって素敵。
1/250 f4
解放値が明るいので暗くても撮れる。次の写真はポジなので人物が暗く落ちている。
開放 1/125
開放 1/8
絞り、シャッタースピード、ピントに加えてDCでボケのコントロール、となると速射には向かないだろう。しかし、DCリングをゼロ地点に合わせればただの高性能な望遠だ。
こういう変わり玉があると、ポートレート撮影も楽しめる。DCリングをどのくらい回すと一番綺麗な写真になるか、モデルさんと一緒に探す。自分達の表現を探している実感があって楽しい。
でもこの玉、実はトンでもない代物だったのだ。
ポートレート② @代々木公園 - ニコノスの写真日記この記事の「ビバ、ボケ味」と書いた写真だが、よく見なくてもピントが合っていない。DCリングを後ボケ優先、f2地点まで回してAFで瞳にピントを決めたはずだったのに、このレンズで撮った写真が全てピンボケ。
急遽購入店に駆け込み、修理と相成ったがニコンの方で部品の在庫が無く、入荷次第取り換えますとの事。結局ひと月くらいかかってしまった。
写真をもっと上手く撮りたいと思ったら、単焦点レンズを勧められるだろう。
ポートレートを撮るには長めの玉がいいとされるが、105mmは85mm付近の中望遠と大して変わらないように見えて、まるで別物である。より望遠の効果が強いのだ。
スナップで使うと盗撮のようで気が引けるけれど、街撮りをするには気になったものの一部分を「切り取る」感覚が気持ちいい。
2017/01/4 作例追加
蜘蛛が嫌いなヒト、ごめんなさい。(でも、このボケは唯一無二とおもいますよ)
あ、いいなと思うとやはり50mm付近の画角で撮りたいものが多いから、まだまだ修行が足りないのだろう。私の普段使いにはなりそうにない。
マンネリに陥った時、望遠単焦点で出かけると…あれ?狭い狭い!どうしよう?
と考えながら撮るため、いつものレンズに戻ったとき新鮮な気持ちで写真が撮れる。
とっても、ホッとする。
最新のAF-S 105/1.4Eは電磁絞りのため、機械絞り専用機、つまり各種フィルム一眼レフと一部のデジタルに装着しても絞りが連動しない。
本当に明るさを必要とするのはフィルムなのに、どうして現行のフラッグシップF6で使えないのか、ちょっと疑問を感じるが、ニコンがこの御時世に新品のフィルムカメラを用意してくれることを有難く思わねばならない。プロの人は不満に思ったりするのかな。
さて、修理から戻ってきたDCニッコールであったが、修理内容を見ると「前ピンを確認しましたが、製品の仕様上ピントの調整が出来ませんので、劣化部品のみの交換となります」
あちゃー…
MFしか使えないなら持っていても仕方がないので、早々に売ってしまった。
ちょっと勿体なかったか。
これでF6で常用するのは28,50,85に落ち着いた。ふう。
この3画角さえ使いこなすことが出来たら、もう無敵なんじゃなかろうか?
今は被写体に出会った時、どのレンズで撮ろうか迷ってしまう。頑張らねば。