マグニファイヤー。
AF?MF?
高校の部室でMF一眼を発掘して、使ってみたらカメラにハマった。
今ではピントを外すことも少なくなった。
AFが無くて困るのは、人に撮ってもらうとき。露出とピントを合わせて「この位置から撮って」とカメラを渡すのだが、例えばiso400で室内だと、シャッタースピードを稼ぐために絞りを開けなければならない。年配の方なら心配いらないが、MFなんて触ったこともない人にf2.8なんてシビアなピント合わせは無理に等しい。撮った写真がボケてたり、ブレてたりしたら、撮ってくれた人にも申し訳ない。
こういう所はスマホのカメラに到底敵わない……あ、スマホで撮ってもらえばいいのか!
正直、AFが嫌いだ。
機械に「察する」能力は無い。あったらあったで面倒だろうが、 察してくれないことにイライラするのはもっと面倒だ。
ヨドバシでNikonD5を触らせてもらったけれど、とても快感だった。これさえあればモデルさんに「全速力で向こうから走ってきて」と指示を出しても、ケーキのロウソクを吹き消す時も、子供のクシャミだって全部OKショットだ。ハイスペックに圧巻。
それでも、MFならではの利点はあると思うのだ。リストアップしてみよう。
- どこにピントを置くかで写真は変わる。ファインダー内で遊びながら絵を作れること。
- 機械を操作する楽しさ。
- 「撮影」という一連の動作を身につける訓練になる。
このくらいか。
- MF専用レンズはとにかくカッコいい!
これも入れたい人、いるよね?
つまらないコダワリで写真をダメにしたとき、とても悩む。以前こんなことがあった。
黄色い花の群落の後ろを黄色い電車が走る風景。なかの一輪にいたカマキリにピントを置いた。電車もそう頻繁に通るわけではないから置きピンで待ち、シャッターを切った。撮ったのは一枚。
現像してみたらちょっと前ピン。カマキリもボケて茎のように。逃げてしまっていたのかと思った程だ。
自分にMFは無理だ…と落ち込んだ。
怒涛の勢いでヨドバシに駆け込み、買ったのがコレ。
自分の過ちを機械のせいにするなよ、と怒らないで欲しい。これは本当に快適なのだ。
威力を発揮するのは先に挙げたようなマクロ、望遠、暗所など。まつ毛ピントだって楽々。これが新品で4000円しない。Fマウントの全ての一眼に付く(要アダプター機種もアリ)ので、デジに買い換えても使える。中古なら1500円くらいの相場だが、この差ならケチって「チリ、クモリアリ」を買う意味なんてない。
ミラーレスでオールドレンズを使うとき、EVFの拡大機能を使う人は多いだろう。ファインダー内で選択範囲の拡大表示をして、ピントを追い込むのだ。
DG-2の場合、2倍に拡大されたファインダー中央部が見える。使わない時は上か斜めにハネ上げればよい。
技術的な面ができていれば、あとは何でもいいと思う。ブレさせても、レトロにしたくてわざとオーバーで撮っても、自分の意図による表現なら問題ないと思う。でも、それができるようになるまでには何度も失敗を経験しなければならない。
今日撮った写真が、明日のためになれば嬉しい。