105mm DC Nikkor f2.0
中古で安くなっていたので購入。
元箱も説明書もついている。
「この度はニコン製品をお買い上げ下さり誠にありがとうございます」
ううむ。
資産が有り余っていれば、F6を新品で買ってフィルムカメラ事業を応援したいのだけど、残念ながらファインダースクリーンくらいしか新品購入してない。
なぜコレが欲しくなったか。私は読み物が大好きなので、写真を撮っていない時は何かしら読んでいる。(目がかわいそう…)
ニコンの「私のニッコール」とか「千夜一夜物語」とか、現役フォトグラファー御用達のレンズや開発秘話などが満載。載るのはやはり、明るいレンズ。片っ端から読むので片っ端から欲しくなるのである。レンズの良いところ悪いところは、価格コムはじめ各種評価サイトで取り(撮り?)沙汰されているけど、自分に合うかどうかはトコトン使ってみないとわからない。電気屋の店内で撮ってみても、逆光時の性能とか、暗所でのピントの見やすさとか、ましてや自分のカメラとの相性なんて一切わからない。だからこそ一旦欲しくなると悩みが解けないのである。
さて、当レンズの紹介であるが、
MFレンズしか使って来なかったからF6にマウントしてレリーズ半押しした時の驚きが大きかった。でもMFはしやすい。リングが軽すぎることなくピント精度を確保できるのだ。最新の超音波モーター駆動のAF-Sレンズと比べると、フルタイムMFが不可能、モーター動作音がウルサイ等いくつかの点が気になる。
ファインダーを覗いただけで、キレイな絵にうっとりする。ピント面がクッキリだ。f2解放の描写は、オールド・ニッコールを思わせるシャープさと2線ボケが同居した、ほんわり感を楽しめる。ファインダー像が綺麗なのだ。
それでは実写作例に参ろう。
つけた感じは望遠ズーム並で「レンズの性能はデカさ、重さに正比例する」法則に間違いはないと実感。レンズ外装の縮緬加工が高級感あって素敵。
1/250 f4
解放値が明るいので暗くても撮れる。次の写真はポジなので人物が暗く落ちている。
開放 1/125
開放 1/8
絞り、シャッタースピード、ピントに加えてDCでボケのコントロール、となると速射には向かないだろう。しかし、DCリングをゼロ地点に合わせればただの高性能な望遠だ。
こういう変わり玉があると、ポートレート撮影も楽しめる。DCリングをどのくらい回すと一番綺麗な写真になるか、モデルさんと一緒に探す。自分達の表現を探している実感があって楽しい。
でもこの玉、実はトンでもない代物だったのだ。
ポートレート② @代々木公園 - ニコノスの写真日記この記事の「ビバ、ボケ味」と書いた写真だが、よく見なくてもピントが合っていない。DCリングを後ボケ優先、f2地点まで回してAFで瞳にピントを決めたはずだったのに、このレンズで撮った写真が全てピンボケ。
急遽購入店に駆け込み、修理と相成ったがニコンの方で部品の在庫が無く、入荷次第取り換えますとの事。結局ひと月くらいかかってしまった。
写真をもっと上手く撮りたいと思ったら、単焦点レンズを勧められるだろう。
ポートレートを撮るには長めの玉がいいとされるが、105mmは85mm付近の中望遠と大して変わらないように見えて、まるで別物である。より望遠の効果が強いのだ。
スナップで使うと盗撮のようで気が引けるけれど、街撮りをするには気になったものの一部分を「切り取る」感覚が気持ちいい。
2017/01/4 作例追加
蜘蛛が嫌いなヒト、ごめんなさい。(でも、このボケは唯一無二とおもいますよ)
あ、いいなと思うとやはり50mm付近の画角で撮りたいものが多いから、まだまだ修行が足りないのだろう。私の普段使いにはなりそうにない。
マンネリに陥った時、望遠単焦点で出かけると…あれ?狭い狭い!どうしよう?
と考えながら撮るため、いつものレンズに戻ったとき新鮮な気持ちで写真が撮れる。
とっても、ホッとする。
最新のAF-S 105/1.4Eは電磁絞りのため、機械絞り専用機、つまり各種フィルム一眼レフと一部のデジタルに装着しても絞りが連動しない。
本当に明るさを必要とするのはフィルムなのに、どうして現行のフラッグシップF6で使えないのか、ちょっと疑問を感じるが、ニコンがこの御時世に新品のフィルムカメラを用意してくれることを有難く思わねばならない。プロの人は不満に思ったりするのかな。
さて、修理から戻ってきたDCニッコールであったが、修理内容を見ると「前ピンを確認しましたが、製品の仕様上ピントの調整が出来ませんので、劣化部品のみの交換となります」
あちゃー…
MFしか使えないなら持っていても仕方がないので、早々に売ってしまった。
ちょっと勿体なかったか。
これでF6で常用するのは28,50,85に落ち着いた。ふう。
この3画角さえ使いこなすことが出来たら、もう無敵なんじゃなかろうか?
今は被写体に出会った時、どのレンズで撮ろうか迷ってしまう。頑張らねば。